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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)に基づく施術を行っている鍼灸院です。

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不内外因

痰飲

 痰飲とは、水湿の邪が体内で長く停滞したことで、凝縮されたものです。痰飲のうち、ネバネバしたものを痰、サラサラしたものを飲といいますが、臨床上は厳密に区別されることはあまりありません。

 有形の痰と無形の痰があります。

・無形の痰
 臓腑や経絡などの組織中に停滞していて、目で見ることが出来ない痰をいいます。症状などから、肺・脾・腎などの臓の気化機能の障害なのか、三焦の水道が通調しないために起こっているのかを判断します。

・有形の痰
 咳をしたときに出る目で見える痰をいいます。

◆風痰
 脾虚のために痰が生じたところに、肝陽が風を生じ、その風とともに上昇して清竅をかき乱すことで生じます。症状としては、めまい、卒倒、口や眼がゆがむ、半身不随、手足のしびれ、舌が強ばって話ができないなどがみられます。

◆熱痰
 熱邪が津液を煮詰めたり、痰が欝して熱が生じ、その熱と痰が結びつくことなどで生じます。症状としては、発熱と同時に胸が熱くてイライラする、黄色く粘稠の痰をだす、のどの痛み、便秘、あるいは精神錯乱などがみられます。

◆寒痰
 痰が存在しているところに外感の寒邪を感受したり、陽虚で内寒が生じたことによって、寒と痰が結びついて引き起こされます。症状としては、寒がり、手足が冷たい、白色で稀薄な痰を出す、あるいは筋骨が痛む、手足が重くて持ち上がらないなどがみられます。

◆湿痰
 寒湿の邪を感受したり、脾虚によって運化機能が失調し、水湿が停滞することで生じます。症状としては、胸のつかえ、食欲減退、吐き気、嘔吐、多量の吐きだしやすい痰、体が重だるいなどがみられます。

◆燥痰
 燥邪を感受したり、熱邪が肺を犯し、津液を濃縮することで痰となり生じます。症状としては、咳、粘稠で吐きだしにくい痰、口・鼻・のどの乾燥、便秘などがみられます。

 水飲の停留する部位によって、狭義の痰飲、懸飲、溢飲、支飲の四つに分けられます。

◆痰飲(狭義)
 水飲が胃腸に停留したものをいいます。症状としては、胃・腸でチャプチャプ音がする、胸脇部のつっぱり感や膨満感、透明で薄い痰涎を吐く、口渇はないかあっても飲みたがらない、めまい、動悸、息切れなどがみられます。

懸飲(けんいん)
 水飲が胸脇部に停留したものをいいます。症状としては、胸脇部の痛み、咳をしたり唾を吐くと胸脇下に痛みが放散する、肋間の脹満、ひどい場合は胸脇部が隆起する、息切れなどがみられます。

溢飲(いついん)
 水飲が四肢の筋肉に停留したものをいいます。症状としては、体が痛んで重だるい、むくみ、排尿困難、寒け、発熱、汗が出ない、咳、多量の痰などがみられます。

◆支飲
 水飲が胸膈、胃脘部に停留したものをいいます。症状としては、咳、息切れ、起坐呼吸、むくみ、白い痰涎沫が出るなどがみられます。

  • 各臓腑の痰飲の症状
◆肺の痰飲
 痰をはく、咳、呼吸急促、のどがひゅうひゅう音をたてる、呼吸がしづらいなどの

◆心の痰飲
 突然の意識障害、精神錯乱、意識がもうろうとする、あるいは動悸、胸苦しい、不眠、夢が多い、めまいなど

◆胃の痰飲
 胃の中でチャプチャプした音がする、腹が脹る、吐き気、嘔吐、手足が重だるい、めまいなど

◆腸の痰飲
 腸がグルグルと鳴る、下腹部が重いなど

◆経絡の痰飲
 経絡上の痛み、腫れ、こぶ状のしこり、頑固なしびれなど

◆脾の痰飲
 痰飲は湿邪と同様に、脾の運化作用を妨げます。そのため、脾の運化作用が失調して、食欲がない、吐き気、嘔吐、腹が脹る、胸やけなど

  • 痰飲独自の特徴
 痰飲は湿邪と似かよった性質をもちますが、独自の特徴もあります。

◆心をおかすことが多い
 心の主る神明をおかし、精神障害をあらわします。

◆気、血、津液の運行を阻害する
 痰飲は湿邪と同様に経絡に停滞すると、気、血、津液の運行を妨げ、痛みや腫れを引き起こします。さらに長期間にわたると、こぶ状のしこりができます。これを痰核といって、痰飲独自の症状です。

◆停滞部位の臓腑、経絡の働きを失調させる
 湿邪と違い、すべての臓腑・経絡に停滞する可能性があります。痰飲の停滞した臓腑・経絡は、その働きを失い、様々な疾病を引き起こします。

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