本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆経穴「曲泉」

2020年3月4日(水)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今日は、膝の内側にある「曲泉(きょくせん)」という経穴(ツボ)についてです。

       
曲泉


中医学では、私たちの体を流れている気(生命エネルギー)の乱れ(減少や過多、停滞など)があらゆる病気をまねく引き金になる、という考え方があります。
これは、逆にいえば、気の流れが整っていれば病気にならない、という考え方にもなります。

曲泉は、膝の曲り目にあり、心身の活力源となる気が泉のようにわき出る場所、という意味をもちます。
つまり、曲泉を刺激することで、体内の停滞している気の流れを整え、体のさまざまな不調を改善することができるのです。


曲泉は、尿道炎や膀胱炎による排尿痛や頻尿、夜尿症、陰部のかゆみなどに有効で、女性の月経不順や月経異常、不妊症、男性の精力減退にも力を発揮します。
さらには、めまいやのぼせ、鼻血、二日酔い、うつ病、更年期障害、下痢などにも効果を発揮します。
また、ツボの位置から、膝やすねの痛み、大腿の内側から股にかけての痛み、足が動かしにくいといった症状も改善します。
このように曲泉は、足の痛み、泌尿器系、生殖器系の改善に大変有効なツボです。


これらの効能は、曲泉が足の厥陰肝経という経絡(生命エネルギーの通り道)に属するツボだからです。
足の厥陰肝経は、足の親指から始まり、すねの内側、大腿の内側、わき腹、肋骨に至る経絡です。
この経絡の走行から、曲泉が下半身の不調に高い効果があることが分かります。

曲泉は、この経絡の合穴とされています。
合穴とは、五兪穴(経絡にある5つの重要なツボ)のひとつであり、良い気、悪い気(邪気)が入り込んだまま、出て行きにくい場所のことです。
邪気が体内に入り込んだままだと、慢性的な病気を患ってしまいます。
そこで、慢性的な病気を改善するためには、それぞれの症状に対応する合穴を刺激して、滞留した邪気を排出させるような治療を行います。
曲泉は、特に肝の臓の慢性病に効果があります。


曲泉の「泉」には、生命エネルギーの源泉という意味がありますが、加えて、水分や血液などの体液に関係する症状に効果的なことも、その名の由来とされています。


針灸経穴辞典より
【作用】
 ・清湿熱、理下焦
 ・舒筋活絡
【主治】
 子宮脱・子宮下垂、下腹部痛、排尿困難、陰部掻痒、遺精、外陰部痛、膝関節内側痛、疝痛



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860