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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆ブドウについて

2017年9月5日

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今日は最近スーパーで見かけてきたブドウについてです。
ブドウの原産地は西アジアで、日本には12世紀ごろ中国から伝わったとされています。
明治以後、アメリカ種やヨーロッパ種も導入され、日本のブドウの多くはその改良品種だそうです。

ぶどう【中医学的効能】
・四気五味: 甘・酸、平
・帰経: 脾、肺、腎、肝

・補気養血: 気と血を補う
・滋補肝腎: 肝と腎の陰分を潤し養う
・利尿: 排尿をうながす

ブドウの寒熱は平性で、偏性がありません。
そのため、冷え性の方でも暑がりの方でも、どちらにも適しています。
ブドウには補気養血の効能があるので、気血両虚の方に摂っていただきたい食材です。
気血両虚とは、気虚と血虚が同時に存在する証候で、めまい、疲れやすい、無気力、呼吸が弱い、汗が出やすいなどの症状に、顔色が青白い、動悸、不眠、手足の痺れなどの貧血のような症状もみられます。
特に補血の作用が強いので、血虚の方には私はよくお勧めしています。
干しブドウだと朝にヨーグルトとかと一緒に食べやすいですからね。
さらに、ブドウは陰虚の方にも向いています。
ブドウには陰分を補う働きがあるので、いつも微熱があったり、熱がこもっているような感じがする、夜に調子が悪くなる、手足がほてる、寝汗をかくなど陰虚の症状がある方は是非ブドウやレーズンを食べましょう。
陰虚の方の舌は基本的に紅くて、舌の上にある苔が少ないので、ご自分で確認しやすいと思います。
舌
ひどいとこんなに紅くなります。(絳舌)
舌1
といっても、食べ過ぎには気をつけましょうね。

栄養素としては、ブドウにはビタミンPという活性物質が含まれています。
ビタミンPはフラボノイド化合物で、柑橘類やソバによく含まれている水溶性のビタミン様物質です。
ビタミンCの働きを助け、コラーゲンの合成を促進して毛細血管を丈夫にします。
また、毛細血管の適度な透過性を維持する効能もあります。
ビタミンPが不足すると、出血しやすくなったり、血液中のたんぱく質がしみ出したり、細菌が侵入しやすくなります。
その他、ビタミンPは毛細血管の収縮作用や血圧降下作用があります。
臨床上では、止血剤としても利用されているようです。
ブドウにはポリフェノールも含まれています。
ポリフェノールは、抗酸化作用や抗老化作用などの効能があり、ブドウの種や皮に多く含まれています。
ワインが良いというのは、ワインを造るときに、ブドウの皮と種を一緒に潰しているからですね。

最近涼しくなってきましたね。
気温差が大きいので体調に気をつけて、過ごしやすい秋を満喫しましょう。



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