◆中医学的問診C(例:腰痛)
            2017年8月12日(土)
          
            こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
            
            中医学の問診について腰痛を例にした第4弾です。
            腰痛を例にしては今回が最後になります。
            前々回から中医学では、痛み方の違いによって腰痛を起こしている原因が違うと判断し、治療方法も違ってくるというお話しをしています。
            
            今回は、「鈍痛、酸痛」です。
            だるさを伴う痛みをいいます。
            だるい、重だるい、ズーンとする、ぼんやりとした、どこが痛いかはっきりしない、というような表現をよく聞きます。
            痛みの程度は違うにしろ、ほとんどの方が一度は感じたことがある腰痛ではないかと思います。
            運動や肉体労働をした後に、なんとなく腰がズーンとしたり、重いように感じたりしたことありますよね?
            私は、ぎっくり腰のような激痛を経験したことは今までありませんが、この重だるさはバスケを一生懸命やっていた時によく感じていました。
            この痛みは虚証の代表的な痛みです。
            虚証ということは、疲労が原因ということです。
            そのため、基本的には疲労して悪化し、休むことで痛みが和らいできます。
            考えられる原因は、「気虚」、「気血両虚」、「腎虚」などが主にあります。
            特にこのような症状があれば、私は「腎虚」は必ず関係すると考えて治療をしています。
            慢性的に腰痛を患っている方は、若くてもお年をめしていても脈診での「腎」の部分が沈んでいたり弱かったりする方が多いのは事実です。
            そのため、「腎」を補う経穴を使用して治療します。
            ちなみに、腎気は精神疲労でも消耗するので、肉体労働をしないという方でも腎虚の腰痛を起こしている方もいます。
            
            というこで、少し「腎」についてお話ししましょう。
            「腎」は排尿に関わるだけでなく、生殖、成長、発育を促す働きがあります。
            腎には精が蓄えられていてます。
            この精は、生まれながら両親から受けついだ精と食べものからつくられる精があり、その精が充実することで、成長、発育をします。
            そのため、この腎精が不足すると、歯がもろくなる、髪が白くなる、聴力の低下、尿もれや勢いが弱くなる、足腰がだるくなるなどの老化が進んだような症状がみられます。
            黄帝内経素問に「腰は腎の府、転搖することあたわざるは、腎まさにつかる」とあり、府とは蔵(くら)のことをいいます。
            腎が弱ると腰痛がでることを述べています。
            他に腎は水液の代謝を行ったり、息を吸う働きなどありますが、それは中医学教室をご覧ください。
            
            軽く腰が重だるい程度であれば、少し腎気を消耗したくらいですが、それを我慢して頑張りすぎることで、腎虚が進み、耳鳴りが出たり、排尿がいつもと違う感じがしたり、歯ぐきが下がってきたりすることもあります。
            つまり、腰の鈍痛・酸痛は腎虚のサインかもしれません。
            そんな時は、無理せず休息を取り、バランスのいい食事と質のいい睡眠で気血を補ってあげましょう。
            もちろん鍼灸治療もお勧めです。
           
          
          
          
            
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