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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆中医学的問診①(例:腰痛)

2017年5月27日(土)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

昨日は久しぶりにしっかりとした雨が降りましたね。
今日は気温も下がって、比較的過ごしやすいです。
でも、来週からまた最高気温が30℃になるようです。
湿度が高くなってきているので、梅雨が近づいてきているのを実感しますね。
最近日の出が早くなったせいか、目が覚めるのが早くなったので、時々早朝ジョギングを行っております。
ゆっくりと15分くらいですが少し汗ばみ、それからシャワーを浴びると非常にスッキリとします。
湿の邪が影響すると体が重くなったり、むくんだりしますが、そんな時は軽く汗をかくような運動をすると、湿邪を追い払うことができスッキリとしますよ。

さて、今日は中医学での問診の仕方を腰痛を例にしてみていきたいと思います。
分かりやすくするためにも数回に分けてお話していきますね。

まず、腰痛があり病院に行った場合、だいたいレントゲンをとりますよね。
そのレントゲンをみて、「問題はありません」とか「少しここの間が狭いです」などとドクターから説明されたという方が多いのではないでしょうか。
レントゲンは基本的に骨を写してしるので、骨の変形があればそれが原因かもと言えますが、特に若い方にはそのような変形はあまりみられません。
そのような場合は、筋膜や靭帯の炎症が多いのですが、それはレントゲンでは分かりません。
腰痛の85%は原因不明と言われています。
西洋医学では、どこかが炎症していて痛いのであろうとは推測できますが、器質的な変化などの原因が特定できなければ原因不明ということになります。
逆にいうと、腰部脊柱管狭窄症や内臓性の痛みなどのように原因が特定できたもの以外の腰痛は全て原因不明の腰痛ということになります。
そこで、ドクターは患者さん自身の体が炎症を治すまで湿布や痛み止めで対処するような処置をします。
さらに、慢性的な腰痛に対しては対処法は少なく、多くの患者さんは腰痛体操を勧められたりします。
それほど腰痛は完治しづらい症状のひとつです。
中医学でも完治しづらいという点では同様ではありますが、診断の仕方から治療のアプローチが違うので、劇的に良くなる方もいらっしゃいます。
ではどのように違うのかをみていきましょう。

中医学は数千年前からの経験の積み重ねの医学なので、画像診断のような診断方法は基本的には行いません。(もちろん画像診断を行ってもいいと思いますが、鍼灸師はできないので)
そのため、痛み始めたタイミングやどのような痛みか、痛む範囲、どうすると痛みが悪化したり和らいだりするのか、脈や舌の状態などを総合的に判断して診断を行います。
器質的に問題があろうがなかろうが、症状に対して治療を行う点が西洋医学とは違う点です。

まず問診時にお伺いするのが、いつどのようにして痛くなったかです。
急性なのか、慢性なのかで原因が違ってきます。
原因が違えば鍼灸治療に用いるツボが違ってくるので、原因から証を導き出すことは非常に重要になります。
急性であれば、外邪の侵入や血瘀(血の巡りの滞り)が主に考えられます。
外邪には寒邪や湿邪が多くみられ、その外邪により経絡が阻滞され血の巡りが悪くなり痛みがでたりもします。
外邪単独のこともあれば、相互に影響して腰痛を引き起こしているもあります。
腰が冷えているなぁと思っていて、ちょっと動いた拍子に痛みが出たなんて話はよく聞きますよね。
こういった状況であれば、原因は寒凝血瘀が多いと思われます。
外邪単独の急性腰痛の代表は、カゼをひいたときの腰痛です。
風寒の邪が原因なので、悪寒や発熱を伴うことが多いです。

慢性の腰痛では、腎虚や血虚などの裏証のものが主に考えられます。
先ほどのカゼなどは外邪と体の表面の戦いなので表証といいます。
そのような表証以外のものを裏証といいます。
慢性的な肉体疲労や精神疲労などが原因のものはだいたい裏証です。
痛みもぎっくり腰のような激痛ではないことが多いです。

ざっくりと説明すれば、悪いものが体についていたり、気血の巡りが滞ると、痛みの強い急性腰痛が起こり、疲労などにより弱っていると腰を営養できないので、痛みが比較的弱い慢性腰痛が起こります。

中医学的問診では、急性か慢性かを聞くだけで、ある程度腰痛を起こしている原因を想定することができます。
次回からはさらに証を絞っていくための問診をしていきますね。



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