本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆顔色について

2016年12月25日(日) MerryXmas

クリスマスこんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今日はクリスマスですね。
今朝うちの子たちにサンタさん?からプレゼントが届いていました。
上の子はトランシーバー、下の子はアンパンマンの絵をかいて消せるやつです。
上の子はトランシーバーが分からず、「何だこれ」と言ってあまり嬉しそうではありませんでしたが、電池を入れて使わせてみたらニヤニヤしてました。
今日帰ったら一緒に遊んでみようと思います。


中医学では顔色を観て色々と推定できることがあります。
みなさんも無意識に感じ取っていることですが、今日は顔色が良いとか、身体の調子が顔色に出たりしますよね。
私の経験談ですが、スポーツクラブで働いているときに排便の調子が悪く、泥状便が続いていた時がありました。
調子が悪いとは思いながらも、仕事はいつものように出来ていたのであまり気にしていなかったのですが、会員さんから「顔が黄色いよ」と言われてハッとしたことがあります。
中医学では、脾気虚(消化吸収する力が弱っている状態)のときに顔色が黄色くなることがよくみられるからです。
病気というほどの状態ではないけれども、顔色にでるくらい調子が悪いんだと気づいた瞬間でした。
中医学でいう、「未病」の状態ですね。
みなさんも日々ご自分の顔色をしっかり確認してみるといいかもしれませんね。
ということで、今日は顔色について少しお話ししたいと思います。

まず、先に少し難しいですが、色の概念での一般的な病証について。

白 : 虚証、寒証、失血証
青紫: 寒証、痛証、瘀血証、驚風(小児のひきつけ)
赤 : 熱証
黄 : 脾虚証、湿証
黒 : 腎虚証、水飲証、瘀血証

顔色が白い人を見ると少し心配になりますよね。
小学校のときに朝礼で倒れる人が必ずいましたが、そういう子はだいたい顔が白くなっています。
顔が白い場合は、営血の不足が考えらます。
貧血傾向と言う方は、ほうれん草や木の実類などの血を増やす食材を摂ったり睡眠の質を良くして血を増やすように心がけましょう。
他に、顔が腫れぼったかったり、むくみやすい方は陽虚も考えられます。
気の不足がすすみ、温める力も弱ってしまっていますので、基本的には冷え性です。
羊肉やくるみなどの体を温めるような食材を食べたり、運動で筋肉量を増やして体温を上げるようにするのも良いですね。
さらに、単純に外気が寒く、寒の邪気の影響で白くなることもあります。

顔色が青紫については、あまり臨床で見かけませんが、瘀血のときにみられます。
瘀血(血の巡りが悪い状態)の場合は、唇や爪に青紫色がみられることが多いです。
チンゲン菜やお酢など血の巡りを良くする食材を摂りましょう。
あとは、チアノーゼですね。
心気虚の場合は、心臓の拍出する力が弱くなっているので顔や唇が青紫色になります。

顔全体が赤い場合は実熱が考えられます。
熱中症や発熱しているときのように体温が高くなっていたり、イライラして顔に血が上った状態(肝火上炎)などです。
また、ほほが赤い場合は、陰虚内熱の場合があります。
陰と言う熱を冷ます成分が少なくなっているので、弱い熱(虚熱)が生じている状態です。
陰虚の方は慢性的な症状をかかえている方が多いので、当院でもよくみられます。
陰を補う食材(乳製品、豚肉、カキなど)を摂ったり、睡眠をしっかりとって陰を補うようにしましょう。

顔色がくすんだ黄色の場合は、気血不足、特に脾気虚にみられます。
脾気虚だと、食べたものの消化吸収が不十分なので、気血の生成が少なくなり、結果気血不足になります。
よく下痢をして、顔色が黄色ければ、脾の働きが必ず低下していると思われます。
暴飲暴食を控えて、1回の食事量を控えめにして、穀類、いも類など脾の働きを補う食材を摂るようにしましょう。

顔色が黒い場合は、腎虚か瘀血が考えられます。
目の周りが黒かったり、目の下のくまはよくみられます。
疲れると目の下にくまが出来るというのは、腎虚のことが多いです。
腎は生まれながらの先天の気と食べ物からの後天の気を溜めておく所です。
体を動かしたり頭を使うときには、腎から気を送りだしてその気を使って活動をしています。
気の消耗が激しいと、一時的に腎が弱りくまが出来ますが、睡眠などで腎気が補充されればくまがなくなると考えられます。
一方、瘀血の場合のくまは常にあったり、若くて元気な方にもあったりします。
瘀血はストレスなどで長期間気血の巡りが悪くなっていたり、女性では子宮に瘀血が出来やすいので(子宮筋腫や内膜症など)睡眠をしっかりとったからといってすぐには解消されないからです。
腎という観点では、人工透析をやっている方は皮膚が黒くなっていますよね。
焦げたような黒さは、腎精の不足と考えています。

以上のように顔色だけでも様々な情報が得られます。
ただ、私が一番気にしているのは「ツヤ」です。
多くの方は肌に艶があるのですが、たまにくすんで潤いがない感じの顔色の方がいます。
そのような方は辛い症状に長い期間苦しんでいて、心身共に疲れ切っている方に多いです。
肌の艶も体調をみる大事な指標になります。
これを読まれている方は是非朝の洗顔時に顔色と艶を確認して、体調維持に努めていただきたく思います。
上記の艶がよくない方の針灸治療は、私の力不足もありなかなか改善できません。
ひどくなる前に、未病のうちに、身体のサインに気づいてケアをしていきましょう。

今年もあと1週間です。
カゼなどひかないように気をつけて、楽しい年末年始を迎えましょう。


中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860