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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆ネギについて

2016年12月17日(土)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

ネギ寒くなり、早くもインフルエンザが流行りだしているようですね。
そんな折、先日「ためしてガッテン」でネギについて放送していたのをちょっと目にして、ブログにネギについて載せようと思い立ちました。

「ためしてガッテン」の中で興味を引かれたのが、中国有数のネギの産地である山東省章丘という人口100万ほどの地方都市が、2003年に流行した新型肺炎「SARS」の被害をほとんど受けなかったという内容です。
予防措置が良かったということがあるとは思いますが、テレビではネギの効果だと言っていました。

中国の方が、ネギの白い部分を生のまま美味しそうに丸かじりしていました。
ネギの香り成分「アリシン」は熱に弱いので生のままの方が効果が高く、ネギの白い部分に多く含まれています。
このアリシンには、血管拡張、血流促進、免疫力アップの効果があり、それらにより「SARS」撃退につながったと考えられるそうです。

また、ネギの青い部分に含まれる粘液(通称ヌル)が免疫力を直接あげてくれることが分かってきたそうです。
ヌルを摂取すると、免疫系が活性化し、がん予防まで期待できるとHPに書いてありました。
青ネギはもちろんのこと、一見入っていないように見える白ネギの青い部分にも乾燥して含まれているそうです。
ネギは丸ごと食べるのが良さそうですね。

ここからは、中医学的なお話し。

【中医学的効能】
・四気五味: 辛、温
・帰経: 肺、胃

・発汗散寒通陽: 発汗作用でさむけを伴ったカゼを追い払い、気の巡りを良くする
・温中散寒止痛: お腹を温めて冷えの腹痛を緩和する
・消腫解毒: 炎症の腫れを消して、毒を解消する

ネギは辛味で気を巡らせ、発汗作用によりさむけのあるカゼを追い払うのに効果的な野菜です。
気の巡りを改善したり、血行を良くしたりするので、「気滞血瘀」の方や「陽虚」の方にとっては適しています。
「気滞血瘀」とは、気と血の巡りが滞っている状態です。
このような方は、神経質で怒りっぽかったりクヨクヨする、お腹が張りやすい、肌や爪が荒れる、生理痛、手足の冷えなどがみられやすいです。
「陽虚」とは、体を温める力が不足している状態です。
このような方は、全身の冷え、寒がり、下痢をしやすい、むくみやすい、気力がないなどがみられます。
一方、ネギは強い発汗作用をもつので、「陰虚」の方にはあまり向いていません。
「陰虚」とは、陰である血や津液(水分)が不足した状態です。
陰が不足すると陰陽のバランスが崩れ、相対的に陽が過剰になります。
その結果、体の潤す働きが弱くなり、口が渇く、微熱が出やすい、精神不安、イライラ、皮膚がカサカサ、悲観的なマイナス思考が多いなどの症状がみられます。
ネギにより、より熱の症状が強くなり、のぼせる、頭痛がするなどの症状を起こす可能性がありますので、「陰虚」傾向の方やのぼせやすい、暑がりの方は控えめにしましょう。

まだ私もやったことがないのですが、ディアゴスティーニ「漢方LIFE」にネギの利用法が載っていたので、それをご紹介。

ネギの活用

最近カゼを引かないので試していないのですが、カゼひいたら試してみますね。
ネギを鼻に貼りつけるのは少し勇気が必要ですね。
でも、カゼを引かないのが一番。
この時期忙しいとは思いますが、体調に気をつけて過ごしましょう。



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