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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆生姜について

2016年12月2日(金)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今年もあと1ヶ月になりましたね。
今年は10月まで暑かったので、あっという間に師走になってしまった感じですね。
急に寒くなったので、温まりたい方も多いのではないでしょうか。
そこで、体を温める代表的な食材の生姜について今日はお話しします。

しょうが【生姜の中医学的効能】
・四気五味: 辛、微温
・帰経: 肺、脾、胃

・解表散寒: 寒気を追い払い、カゼに効果がある
・温肺止咳: 肺の機能を高め、咳を止める
・温中止嘔: 胃腸を温め、胃腸の冷えを伴った嘔吐を止める

生姜は微温性で胃腸を温めます。そのため、疲れやすく胃腸が弱かったり、冷え性の「陽虚」や「気血両虚」の体質の方には適しています。
また、発散の性質もあるので、ゾクゾクと寒けがしたり、寒けと節々の痛みのあるカゼにも効果があります。
生姜は葛根湯の成分の一つでもあります。

しかし、微温性ということは熱体質の方にはあまり向いていません。
手足がほてったり、のぼせやすいような陰虚の方は、発汗によってさらに陰液を損なってしまう恐れがあるので控えめにしましょう。
また、生姜は気を昇らせる性質をもつので、イライラしやすく顔がカッカしたり、血圧が高めの方は適していません。
古文献には皮膚病をもつ方は生姜を食べ過ぎると治りにくいという勧告が記載されています。
皮膚病は陰虚などの熱を生じやすい方に多いからだと思われます。

すし生姜は寿司やナスの煮物など多くの料理によく付け合せられますが、これらの料理は寒性や気を降ろす性質をもつ場合が多く、生姜の付け合せは胃腸を冷えから守る意味で大変優れています。
例え寒性で体質に合わない食材でも、生姜を使うことでその寒性を和らげることができます。
また、生ものに対する殺菌作用もあり、一石二鳥です。

生姜にはジンゲロンという辛味成分があり強い殺菌力があります。
ジンゲロンは食欲を増進させ、新陳代謝を活発にし、発汗作用を高める働きや、血中コレステロールを減らして血管を軟化する作用なども知られています。
また、ジンギベロールという生姜の香り成分は、胃液の分泌を促進して、腸の働きを活発にし、嘔吐を止める作用をもちます。

冷え予防、カゼ予防に上手に生姜を摂って、あと1ヶ月、2016年を元気に過ごし、気持ちよく2017年を迎えましょう!



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

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