本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆望診:顔色が黄色い

2016年2月4日(木)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

本日は、中医学での「望診」についてです。

「望診」とは、見る(視覚)ことによって、体の状態を把握することをいいます。
全身や局所、舌、排泄物を見ることで、ある程度の体の状態が分かります。

実は皆さんも望診をしています。
今日は顔色が悪い、便がいつもより軟らかいとか、あの人は目力が強いとか。
あの男の人優しそうにみえるってのも望診に入ると思います。

そんな望診で、今日は「顔色が黄色い」について。

周りに顔色がたまに黄色い方はいませんか。
このところ、患者さんに顔色が少しくすんだ黄色い方が何人かいらっしゃいました。
実は昔私もよく他の方から顔が黄色いよって言われてました。

黄疸で黄色い場合は違ってきますが、中医学では基本的に気虚、特に脾気虚と考えます。

脾気虚とは?
中医学で「脾」の臓の働きは、胃腸での消化吸収を担っています。
そのため、脾気虚では以下の症状がみられます。

食欲がない、食がほそい、食後眠い、食後胃がもたれやすいなどの食事の面。
便がゆるい、下痢をしやすい、便の形が一定しないなどの排便の面。
疲れやすい、顔や肌の色がくすんだ黄色、ときにむくむなどの気虚の面。

以前の私に当てはめてみましょう。
当時は、スポーツクラブの社員で、ストレスを感じていて、常に疲労感がありました。
食事は3食食べていましたが、別に食べなくてもいいといった感じだったので、今考えると食欲があったかというと、なかったんだと思います。
結構こういった患者さんは多いんです。
食欲があるか尋ねると、「ある」と答えますが、よく聞いてみると、時間だから食べるだけで空腹感は感じない。といった感じです。

話しを戻しましょう。
当時、便も常に軟らかかったです。
バナナのような形になる日はほとんどなかったと思います。
いわゆる泥状便です。
回数も1日3回以上行っていました。
かといって、排便すればスッキリするので特に異常とは全く捉えていませんでした。

こうみると、脾気虚では元気がないようなイメージを持ちますよね。
でも、私は接客業だったので、人前では非常に爽やかに(?)元気でした。
というか、元気をよそおっていたのだと思います。
会員さんと楽しくおしゃべりしたり、レッスンでは大きな声で指導していました。

このように人前だと自然と元気になってますが、家に帰ると人とあまり話したくありませんでした。
こんな方は多いのではないでしょうか。
実はこれも気虚の症状の一つです。
そんな方は、気虚つまりエネルギーが減っている状態になっていると思ってください。

当時の私は、自分では元気と思っていましたが、脾気虚の状態にあったのだと思います。
周りにたまに顔色が黄色くなる方がいたら、気遣ってあげてくださいね。
脾気虚の方は、性格的に思い悩みやすいので。
まだ起こっていないことを色々と考えすぎてしまう繊細さがあります。

最後にそんな脾気虚の方の注意点です。
まず、胃腸に負担をかけるような暴飲暴食はやめましょう。
お酒も控えめにした方がいいです。
脾気虚の方で、飲酒翌日に便が正常ですと答える方はほぼ当院にはいませんので。

食べものでは、穀類、いも類がいいので、じゃがいもやかぼちゃなどを意識的に摂りましょう。

ツボでは、やはり「足三里」が自分でお灸をしたり、押したりしやすいので便利です。

足三里の場所は、膝のお皿の下のくぼみで、外側のくぼみから指4本分下のところになります。
押し方は、ズーンとした感じが出る強さで、時計回りに2分間押圧します。

空腹感が出てきたり、便が硬くなってくるとともに、顔色や疲れやすいなどの症状は改善されてきます。
私の実体験としては、疲れづらくなったので、一日をダラダラしないでしっかり過ごせるようなったと思います。
私のように西洋医学の検査では何の異常もないことも多くあります。
今まで話してきたような症状をかかえている方は「未病」の状態にあります。
病気になる前段階のことです。
是非早めにケアをして、日々を元気に過ごしましょう。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860