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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆生姜の中医学的な効能

2016年1月13日(水)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

昨日は東京で初雪が観測されました。
やはり、今日も寒いですね。
朝の7時のニュースで、お台場の気温は氷点下でした。

そこで、今日は体を温める食材の知名度ナンバー1の「生姜」について。

生姜の属性は、
微温で、五味は辛、臓腑は肺、脾、胃です。

【中医学的効能】
・解表散寒 : 寒の邪を追い払い、カゼに効果がある
・温肺止咳 : 肺の機能を高めて、咳を止める
・温中止嘔 : 胃腸を温めて、胃腸の冷えを伴った嘔吐を止める


生姜は微温性で胃腸を温めます。
そのため、胃腸が弱く疲れやすい方や、冷え性の方には非常に適しています。
また、発散の性質もあるので、ゾクゾクとした寒気がしたり、節々の痛みのあるカゼにも効果的です。
冷え性改善や、カゼ予防、胃腸の冷えなどに非常に効果があるので、この時期は是非摂っていただきたい食材です。
ただ、注意していただきたいのは「陰虚」傾向の体質の方です。

「陰虚」とは、ストレスや肉体疲労などにより、陰(水分、血、精)が不足した状態です。
陰は臓腑や全身を潤す働きがあるので、陰虚ではその潤す機能が低下します。
また、陰と陽のバランスが崩れるので、陽の熱症状が強くなってしまいます。

具体的には、口や目の乾燥、乾燥肌、便が硬い、尿が少なく黄色い、寝汗をかく、手足や顔のほてり、頬が紅い、体温が高め、あるいは夕方から夜に微熱がでる、めまい、不眠などです。

治療していて感じるのは、今の寒い時期でも冷たい飲物を好んで飲んでいる方が多いです。
体の中が熱く感じていることもよくあります。

舌でも陰虚の方は特徴があります。
以下のような舌の方は陰虚の可能性がありますので、チェックしてみてください。










舌の色が紅くて、苔が少なかったり無くなっているのが特徴です。
左は紅くないように見えますが、オレンジ色に近いのも陰虚の方によくみられます。

話しを戻しまして、陰虚の方は熱を冷ます働きが弱いので、微温性の生姜はあまり適していません。
生姜によって体を温めることで、さらに陰液を損なっています恐れがあるので、控えめにしましょう。
また、同様の意味で、のぼせやすかったり、血圧が高くて頭に血がのぼりやすい方も控えめにしましょう。

皮膚疾患の方で、温まると痒みが強くなる方も熱性の食べ物は向いていないので、気をつけましょう。

陰虚の方は滋陰の働きがある以下の食べ物がおすすめです。

百合根、白きくらげ、梨、ごま、牛乳、卵、豚肉、スッポン、ホタテ貝、カキ

こ自分の体質を見極め、あった食材を上手に摂って、良い一年にしましょう。



中医学専門はり灸治療院
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