◆クルミ
2023年4月25日(火)
こんにちは、埼玉県川口市の中医学に基づき施術を行っている石上鍼灸院です。
クルミは、洋の東西を問わず、古くから食用にされてきました。
日本でも、栗などと共に縄文時代の遺跡からも出土しています。
20種類ほどあるクルミのうち、日本に自生するのはオニグルミとヒメグルミです。
しかし自生種は、殻が堅い上に可食部が小さいため、現在では、外来のペルシャグルミを品種改良したテウチグルミという栽培種が主流になっています。
このテウチグルミは、主に長野県や東北地方で生産されています。
クルミは、食用とする種実類の中でも最も高カロリー食品のひとつです。
主成分は脂質で、その70%近くが不飽和脂肪酸(必須脂肪酸とも呼ばれる体に有用な脂質)であるリノール酸と、α-リノレン酸です。
しかも、この2つの脂肪酸のバランスが理想的なため、過剰摂取さえ注意すれば体に大変有効です。
血中のコレステロール値を下げる効果があるリノール酸とα-リノレン酸には、ともに動脈硬化を予防する効果があります。
クルミに含まれるビタミンEは、動脈硬化の原因になったり発がん作用をもたらしたりする過酸化脂質を抑制します。
さらに、毛細血管を活性化させるので、心疾患や脳梗塞などの予防にも有効です。
クルミにはビタミンB1も豊富です。
ビタミンB1は、体内で糖質が分解されてエネルギーに変わるさいに必要で、不足すると乳酸などの疲労物質が蓄積されて疲れやすくなります。
糖質は、同時に脳や神経のエネルギー源でもあるので、ビタミンB1を十分に摂取していれば、脳や神経の働きもよくなり、イライラしたり怒りっぽくなったりするのを未然に防ぐことも出来ます。
たんぱく質と脂質による強壮効果、カリウムによる高血圧の予防効果なども、クルミには十分期待することができます。
しかし、クルミはカロリーが高いので、食べ過ぎには気をつけましょう。
【中医学的効能】
・四気五味: 甘、温(熱)
・帰経: 腎、肺、大腸
・補腎固精…体を補強し、早漏・夢精を防ぐ
・温肺定喘…肺の機能を高め、気の不足により起こる喘息を解消する
・潤腸通便…腸を潤し、便秘を解消する
クルミは、肺の機能を高め、強精健脳効果のある食品です。
油が多いため消化しにくいので、下痢傾向のある方や、食積痰湿傾向の方は控えめにしましょう。
温腎作用があるので、冷え症の陽虚の方(下痢っぽい方は除く)には適しています。

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