◆体温と免疫力C顆粒球と活性酸素
2021年2月1日(月)
こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。
体温が低いときは、体の中では交感神経が優位な状態になっていています。
交感神経の指令により、血管が収縮して、末端の血管まで十分に血液が流れなくなるため、体表の温度が低くなってしまいます。
そして、体温が低いときの免疫系では、顆粒球が多くてリンパ球が少なくなっています。
リンパ球の数は、状況に応じて大きく変動することがあります。
かぜをひいて発熱すれば、原因ウイルスと闘うために2倍、3倍にも増えます。
また抗がん剤を使っていると、数がどんどん減っていきます。
健康なときのリンパ球は、白血球の35%程度ですが、30%あれば外敵と闘うことができるといわれています。
しかし、低体温の人は、リンパ球が30%を切っていることが分かっています。
これでは戦力不足で、かぜやインフルエンザなどの様々な感染症にかかりやすくなってしまいます。
一方顆粒球は、リンパ球ほど大幅な増減はしませんが、体温が低下すると、確実に数が増えてきます。
顆粒球が多ければ、細菌などに対して守れるのだから、体のためにはよさそうな気がします。
しかし顆粒球が多すぎると、今度は別の問題が発生してきます。
顆粒球が必要以上に増加すると、必要のないところで力を発揮してしまいます。
胃や大腸、口内といった様々な部位の、粘膜組織などを攻撃してしまうのです。
その結果、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、歯周病など、炎症性の病気を起こしてしまいます。
さらに問題なのは、顆粒球が働くとき、活性酸素が発生することです。
活性酸素は、周囲のものを強力に酸化させてしまう作用をもっています。
顆粒球が多いと、この活性酸素が大量に放出されるので、周囲の細胞がどんど酸化されて、組織が傷んできます。
もっとも怖いのは、細胞を酸化させて遺伝子を傷つけ、がん細胞を発生させてしまうことです。
がん細胞ができても、通常はリンパ球が異物として処理してくれますが、頼みのリンパ球の数が少ないのですから、がん細胞が勢いづいて増殖し、ついにはがんの発症へと向かってしまう可能性が高くなります。
ちなみに、活性酸素とは、呼吸によりとりいれている酸素の一部が活性化したものをいいます。
活性酸素はふつうの酸素に比べて、ほかのものを酸化させる力がとても強く、細菌やウイルスなどの外敵をやっつける働きがあります。
しかし一方で、正常な細胞の遺伝子などにもダメージを与えてしまいます。
その結果、シミやシワをつくったり、動脈硬化やがんなどの病気を引き起こす原因にもなります。
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