◆経穴「関元」
2018年6月4日(月)
こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
今日は「関元」という経穴(ツボ)についてです。
関元はへその下にあり、全身の気が集まる重要なツボです。
胃腸障害をはじめ、高血圧症や冷え症、婦人病など、非常に幅広い効能を発揮します。
よく聞く「丹田」はこの関元付近をいいます。
丹田の奥に元気が宿るとされ、正しい姿勢を取ると力が入る体の中心でもあります。
「関」という文字は、「関所」の関で、門をつかさどるかんぬきという意味があります。
一方「元」という文字には、おおもと初めなどの意味があります。
つまり、関元とは、健康の源である元気の関所、全身の気の巡りに大切な場所、ということから名付けられたと考えられます。
関元は体の前面の正中(真ん中)を走る任脈という経脈上にあります。
足の三陰経(肝、脾、腎)と任脈とが交差しているツボです。
このツボの下には、小腸、膀胱、子宮底部があります。
また、小腸の募穴で、かつ、陽を大いに補う要穴とされています。
以上から、関元は、胃腸症状、下腹部症状、小腸腑病、男女生殖病証、および泌尿器病証に効果があります。
特に小腸の働きを整えるので、消化吸収がよくなり、胃腸が丈夫になります。
虚弱体質を改善したい人にはよいツボです。
壮陽の力が強いので、冷えに弱い方や、月経痛、頻尿のかたにも有効です。
【効能】 腎陽の補益、脾陽の温補 → 培補元気
通腸衝任
【主治】 鍼灸経穴辞典から引用
遺尿、遺精、頻尿、尿閉、月経不順、月経痛、無月経、帯下、不正出血、不妊症、子宮下垂・子宮脱、産後の悪露不止、ヘルニア、下腹痛、下痢、虚労るい痩、中風脱証
関元は、温める刺激がむく代表的なツボです。
頻尿や、月経痛、月経不順は、下腹部の冷えが大きな原因になっていることが多いので、関元の周囲を温めることが得策です。
使い捨てカイロを関元の上に貼って温めます。
じかに貼るとやけどの心配があるので、下着などの上から貼るようにしましょう。
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