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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆鍼灸治療の生理学的治効機序

2017年2月20日(月)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

鍼灸治療はなぜ効くのか?
体にある経穴(ツボ)に鍼灸刺激をするだけで、痛みを鎮めたり、気分がよくなったり、免疫力が向上したりと様々な効果があらわれます。
薬の服用などで症状を治してきた我々現代人には不思議に思うところも多いのではないでしょうか。
当院は中医学専門なので、邪気を取り去ることが出来るからとか、気血を補うからといった説明がメインですが、なかなか理解できないことも多いですよね。
そこで、今回生理学的な視点で説明してみることにしました。
少し難しい言葉が出てくるので、詳しく知りたい方は「鍼灸治療の生理学的治効機序」をクリックしてください。
ここでは、出来るだけ分かりやすく(少しザックリと)説明してみたいと思います。
厳密にいうと少し説明不足になりますがご容赦くださいね。

まずは、痛む所に鍼灸治療を行って痛みが緩和されたり、筋肉が緩む理由です。
オピオイド鍼灸刺激により痛みを抑える物質などを放出させ、これらが受容体に作用して鎮痛が起こります。
また、鍼灸刺激により反射が起こり、血管が拡張して血流が改善します。
さらに、筋肉の緊張度を調節しているところを介して、筋緊張が低下します。
こういった理由で、肩こりが和らいだり、痛みが抑えられるわけですね。

次に、当院を受診したことがある方なら分かると思いますが、一見全く関係のなさそうなところに治療を行う理由です。
腰痛なのに足の方に針をするとか、かゆみに対して肘に針をするなどです。
ひとつは、同じ脊髄神経支配エリアに鍼灸刺激を行うことで、その神経が支配しているエリアの痛みなどを改善させることができます。
さらに、僧帽筋や下腿三頭筋などの抗重力筋に鍼灸刺激を行うことで、自律神経を調節し全身の血流を改善します。
脳幹そして一番重要なことですが、特に四肢末端の鍼灸刺激により脳や脳幹に作用して、βエンドルフィンなどの痛みを抑える物質を放出させたり、神経伝達物質を増加させます。それにより痛みだけでなく、精神的なつらい症状なども改善させることができると考えられています。

最後に、当院の治療では、針が立たず横になったしまうくらい浅く刺している時もあります。
それは皮膚に刺しているので、針が立たないんです。
角質その理由は、皮膚にある角質細胞を刺激しているからなのです。
角質細胞が刺激されると一酸化窒素が放出され、脳の視床下部からβエンドルフィンが放出され、さらに免疫細胞を活性化します。
つまり、鎮痛を起こすとともに、免疫力も向上させることが出来ます。

以上から、一見関係なさそうなところに治療を行うことが大事だって分かりますよね。
昔の鍼灸治療家はこういった生理学的なことは知らなかったでしょうが、経験的に理解していたんですね。
そのため、要穴といわれる重要な経穴は肘から先、膝から先に多く集まっています。
先人たちの経験の積み重ねに感服いたします。

我々鍼灸師が使用する経穴や、刺激の仕方には意味があります。
治療中に疑問に思ったときは遠慮せず質問してくださいね。

参考文献)医道の日本社「いちばんやさしい痛みの治療がわかる本」著伊藤和憲


中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860