◆いちごについて
2017年2月2日(木) 晴れ
こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
寒い日が続きますね。
最近いちごを扱っているニュースをよく見かけます。
バレンタインが近く、チョコレートとの組み合わせが人気なのもあるみたいです。
そこで今日はビタミンCが豊富で有名ないちごについてです。
【いちごの中医学的効能】
・四気五味: 甘、酸、寒
・帰経: 肺、胃、肝
・生津止渇: 唾液の分泌を促進して、のどの渇きを解消する
・清肝熱除煩: 肝にこもった余分な熱を収めて、ストレスを解消する
・利尿: 尿の出をよくする
いちごは甘酸っぱく「寒性」で熱を収める効能があるため、寒気がなくのどが痛むカゼの方や、高血圧やのぼせやすいような「陰虚」「肝陽上亢」などの余分な熱をもつ方に適しています。
逆に、体が冷えている「陽虚」の方には合わないので控えめにしましょう。
陰と陽は相互にバランスをとっています。
陽は温める力で、陰は熱を冷ます力だと思ってください。
バランスが崩れて、陽虚(陽<陰)になると、体を温める力が弱いので、冷え性や体温が低い、下痢をしやすいなどの症状がみられます。
陰虚(陽>陰)になると、熱を冷ます力が弱いので、手足がほてる、のぼせ、イライラしやすいなどの熱が上部や末端に行ってしまい、それを収めることが出来なくなっている症状がみられます。
少し分かりづらいのが、「肝陽上亢」です。
この証は、ベースに「肝腎陰虚」という状態があり、陰虚のため熱を抑制できず、熱が強く症状として出ているものです。
つまり、肝陽上亢のベースは「虚」で、症状に「実」がみられます。
そのため症状には、せっかちでイライラする、怒りっぽい、頭痛、目の充血、顔面紅潮、耳鳴り、めまいなどの実の症状と、足腰がだるい、物忘れ、動悸、不眠などの虚の症状があります。(耳鳴り、めまいは虚でみられることもありますが)
肝には「肝火上炎」という実の病証もあり、これには「虚」の症状はみられません。
怒りっぽい、頭痛、大きな音の耳鳴り、口が苦い、鼻血が出るなどの実の症状のみがあらわれます。
次に気になるのは「肝腎陰虚」ですね。
この病証は、めまい、物忘れ、不眠、セミの鳴くような耳鳴りなどの虚の症状がみられ、虚熱が生じるので、口が渇くがあまり水を飲まない、手足がほてる、頬骨の辺りが赤くなる、寝汗などの弱い熱の症状がみられ、実のような強い症状はみられません。
難しいですが、中医学ではそれらの症状や、舌や脈などを総合的に判断して弁証します。
話をいちごに戻しましょう。
いちごは寒性で気を降ろす作用があるので、今話してきたような熱が上に昇ってしまっているような時に向いています。
冒頭で触れましたが、いちごとチョコレートを組み合わせている商品って多いですよね。
私が鍼灸専門学生だったころ、明治のいちごチョコレートにはまってました。
脳を働かすには糖質が必要ということをいいことに授業の合間に食べてましたね。
それはいいとして、実はチョコレートには気を昇らせる働きがあるんです。
よく言われている食べ過ぎると鼻血が出るとか、吹き出物が出来るというのは、熱が上に昇ったことによる症状だと考えています。
ということは、チョコレートの昇の性質と、いちごの降の性質は非常にバランスがよくありませんか。
加工されているいちごチョコレートにこのような性質が残っているかは分かりませんが、いちごとチョコレートは味だけでなく昇降のバランスもとれている良い組み合わせなんですね。
バレンタインにチョコレートをたくさんもらうようなうらやましい方は、食べ過ぎによる気の昇りに気をつけてくださいね。
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