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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆柿について

2016年9月28日(水) 晴れ

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

かき先日に梨についてお話ししたので、秋の果物で柿についてもお話しします。

今日の最高気温は31℃と真夏みたいですが、朝晩が涼しくなったので秋は確実に近づいていますね。
秋になると乾燥してくるので、秋の果物はのどを潤してくれるものが多いんです。
梨もそうですし、今日お話しする柿もそうです。

【柿の中医学的効能】
・四気五味: 甘、渋、寒
・帰経: 心、肺、大腸

・清熱潤肺: 熱を冷まして肺を潤す
・生津止渇:  唾液の生成を促しのどの渇きを抑える

柿は「寒性」で、のどを潤す効能があります。
そのため熱傾向の方には非常にお勧めです。
熱には実熱と虚熱があります。
強い熱と弱い熱と思ってい頂いても構いません。
実熱は、火熱の邪を受けるか、陽気が旺盛となり陰液が欠損して生体の機能活動が亢進することで起こります。
火熱の邪の例としては、インフルエンザのような高熱が出るのが代表的になります。
急性熱証なので柿を食べたから治るというものでもないですね。
しっかり休みましょう。
後半の陰液が欠損してというのは、熱を冷ます力が弱くなり、熱が強くなりすぎてしまっている状態です。
交感神経が高ぶり、カッカしている感じです。
症状としては、暑がりで暑いのを嫌がります。
また、のどが渇き冷たいものを飲みたがり、顔面紅潮、目の充血、胸の辺りが熱い感じがして落ち着かない、尿が濃い、便秘がちなどの症状がみられやすくなります。
虚熱は、上の陰液の欠損があるのですが、陽気がまだ旺盛になっていない状態です。
陰の虚が主で、実熱の場合は熱が主になります。
そのため、症状としては、潮の干満のように定時に起こる微熱(時に午後)、寝汗、手や足の裏の熱感、口やのどの乾燥などの弱い熱がみられます。

分かりづらいですが、虚熱と実熱のどちらにも柿は向いています。
熱っぽい方は積極的に摂るようにしましょう。

逆に、柿は「寒性」なので、陽虚で冷え性の方は摂らない方がいいようです。
陽虚の方は、体の冷えの他に、疲れやすい、汗をかきやすい、顔色が白っぽい、下痢をしやすい、小便が透明で量が多いなどがみられます。
患者さんのなかには、冷えを訴えますが、実は体の内側に熱がこもっていて、手足の末端まで熱が行き届かない方もいます。
そんな方は、食欲が旺盛であったり、便秘がちであったりと熱の症状がみられますので、気をつけましょうね。
胃腸が弱い方は、控えめにしましょう。

栄養素でいうと、柿にはタンニンやビタミンCが多く含まれます。
これらは、抗酸化作用による抗老化作があります。
免疫力を高めたり、細胞を若々しくしてくれますの、体質的に向いている方は美味しいこの時期にしっかり食べておきましょう。

もう少しすれば周りにカゼを引く方が多くなってくると思います。
お体に注意して、過ごしやすい秋を楽しみましょう。



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石上鍼灸院

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