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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆二十世紀梨を頂きました

2016年9月11日(日) くもり

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

先日患者さんから「二十世紀梨」を頂きました。
なし買い物は奥さんに任せてしまっているので、生鮮食料品のことはほとんど気にしていませんが、梨の中でも二十世紀梨は子供のころよく食べていた記憶があります。
今でも食べている梨は二十世紀梨だと思っていたふしもありました。
でも、患者さんから関東はだいたい「幸水よ」と言われ、確かに聞いたことあると、初めて最近食べていた梨は子供のころ食べていた梨とは種類が違うんだと知りました。
そこで、幸水と二十世紀梨を食べ比べてみました。

元来、グルメではない私の感想。
「二十世紀梨は硬くてきめが粗い感じ。幸水は水分量が多くて甘みが強い」
硬いとか、食べるタイミングじゃね!?
そんな声も聞こえてきそうですね。
確かに、こんな感想じゃ梨に申し訳ないので、少しネットで調べてみました。

梨には、「赤梨」と「青梨」があるそうです。
赤梨は「幸水」や「豊水」などの果皮が茶色いもので、青梨は「二十世紀梨」のような果皮が緑色の梨をいうそうです。
幸水は果汁が多く果肉がなめらかで甘みが強いのは特長で、二十世紀梨はさわやかな酸味とすっきりした甘さで果汁が多くシャキシャキとした食感が特徴だそうです。
・・・。まぁ、そんなに私の味覚は間違っていなそうです。
個人的には、二十世紀梨が好きです。

では、ここからは、中医学的な効能についてお話ししましょう。

【中医学的効能】
・四気五味: 甘、微酸、涼
・帰経: 肺、胃

・生津潤燥: 乾燥した体を潤し、唾液の生成を促進する
・清熱化痰: 余分な熱を取り除き、痰を解消する

梨は涼性で「陰虚」の方には非常に適しています。
陰虚の方は、体を潤したり熱を冷ます成分が不足しているので、微熱があったり、のぼせ、ほてり、のどの渇きなど熱っぽい症状があります。
人によっては、熱が体にこもっている感じがするとか、暑いのが苦手、湯船が苦手と言う方もいます。
さらに、高血圧の方の中にも陰虚の方が多くみられます。
陰虚のため、熱が強くなってしまっているんですね。
そんな方には、梨の涼性でその熱を収め、血圧を下げることができます。
また、粘る痰が多い方にも梨はむいています。
体水分が熱により濃縮されると痰が作られます。
そんなときは、清熱化痰の作用がある梨で、熱を取り痰を解消しましょう。

注意点は、涼性なので「陽虚」の方には向いていません。
陽虚の方は温める力が弱いので、冷え性、寒がり、元気がない、下痢をしやすい、小水の回数が多いなどの冷え症状がみられます。
そんな方は控えめに心がけましょう。

栄養素では、アスパラギン酸というアミノ酸があります。
アスパラギン酸は毛細血管を拡張する働きがあり、血行をよくして血圧を下げます。
また、アンモニアを排除して疲労回復や内臓強化、そして美肌の維持などの作用もあります。
アスパラギン酸はアスパラガスに多く含まれ、梨にも含まれています。
また、梨にはサポニンという活性のある配糖体が含まれ、これは体内の脂質の過酸化を防止したり、ブドウ糖が中性脂肪に変化することを抑制したり、脂肪肝や他の肝障害を予防する働きがあります。

梨には良いことがいっぱいですね。
これから秋に向けて乾燥してくるので、しばらくは体が欲する果物の一つにきっとなるでしょう。
皆さんもご自分に合った食材で元気に過ごしましょう。



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