埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ
中医学専門はり灸治療院
中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です
◆舌診④ 舌質が紫
2016年8月10日（水） 晴れこんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
オリンピック、盛り上がってますね。
勝てても勝てなくても、観てる方としては選手の色々な感情を感じ取ることができて、感動しています。
世界の中で1位になるために死に物狂いで努力をしてきた選手たちの中で、しっかり勝ってメダルを取るなんて、すごいことですよね。
子どものころは、「なんだ金メダル取れなかったのかよ」なんて、軽々しく言ってましたが、この年になると努力し続ける辛さも少し分かってきて、そんな言葉は簡単に言えなくなりました。
私はもうスポーツは無理なので、良い針灸治療が出来るように努力をしていく所存です。
では、本題に話を戻しましょう。
前回は舌質が紅い、淡いについてお話ししました。
そこで今回は、舌質が紫や暗っぽいものについてお話しします。
舌質が紫色や暗いものは、気血の巡りが悪いことを意味しています。
現代医学的には、動脈硬化などにより血の巡りが悪い、心拍数の減少、血中酸素含有量の低下などがその原因となります。
中医学では、気血の巡りが悪くなる原因は、大きく分けて2つあります。
熱によるものか、冷えによるものかです。
紅色が多い紫舌は、熱邪が体水液や血液を焼灼して濃縮したためです。熱邪には、体の内側から発生した熱も含まれます。
ストレスなどでイライラしたり、のぼせたり、食欲が亢進するなどは、内熱が原因です。
虚熱、実熱の違いがありますが。それは後日。
暗紅舌の方は、熱があるので、どちらかというと暑がりの方が多いです。
今年の夏は暑いので、辛いですね。
血色の少ない紫舌は、体を温める力が弱り血液を温運できなかったり、寒邪が盛んで血脈を収縮させて、気血の巡りが悪くなっているためにみられます。多くの方に、冷えの症状があります。
体の内側が冷えると、下痢をしやすかったり、小水の回数が多くなります。
陽虚では、体の外側を巡る気が少ないので、やる気などの低下もみられます。
陽虚な方は、陽気の多い夏にきちんと体の手当てをすると、冬が楽になると言われています。
打撲などの外傷性のものでなければ、多くは陰虚や陽虚が慢性化して、気血の巡りが悪くなります。
気血の巡りがいいと、心も体も安定します。
舌質が暗っぽかったり、紫色なのは、当院では非常に多くの方に見られます。
それだけ気血の巡りが悪い方が多いのだと思います。
気血の巡りの悪さの原因をきちんと把握して、それに基づいた対処を行っていきましょう。
