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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆舌診B 舌質の紅淡

2016年7月27日 晴れ

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

もう7月も終わりそうですね。
でも、まだ梅雨明け宣言は出ていません。
梅雨は明けていませんが、子どもの幼稚園は夏休み。
自分が子供のときに、夏休みになっても梅雨が明けていなかったことなんてなかった気がしますが。
気候の変化か、私の記憶があいまいなのか。
いずれにせよ、湿度の高い暑い日が続くでしょうから、体調には気をつけていきましょう。

さて、今日は、舌診についての第3弾。
紅い舌と、紅さが淡い舌についてです。

これは舌体の色のことです。
患者さんで勘違いしている方が多いのですが、「舌が白いんです」と言われて見てみると、確かに舌苔は白いのですが、その下の舌自体、舌体(舌質)は紅いことがあります。
苔と舌そのものを見間違えないようにしましょう。

以前にもお話ししたように正常に近い舌質の色は淡紅舌です。
淡紅舌
写真のようなピンク色です。血色がいい感じがしますね。

紅くなるか、薄くなるかは基本的には、寒熱に関係します。
体に熱が多くなると、紅舌になります。
紅舌
体に熱が多くなるというようなざっくりした表現になるのは、熱が多くなるには様々なことが考えられるからです。
実熱という熱の邪気が体にくっついていて、発熱や皮膚のかゆみなどの症状があるものや(上の写真は実熱に近いもの)、営血まで熱が侵入していたり、陰虚により熱を冷ますことができず虚熱が生じるものや、血の巡りが悪くなり熱が生じたり、逆に余計な熱が長く体にあることで血の巡りが悪くなりやや暗っぽい紅になったりします。
とても大事なことですが、舌診だけで証を診断することはできません。
四診合算(望聞問切)して証を診断しますので、舌を見たときに紅舌であれば、この方は熱があるタイプだなという風に診断の参考の一つにします。
舌苔で実熱や虚熱を診断する方もいるかもしれませんが、私はそこまで断定せず脈や症状でどんなタイプの熱かを判断するようにしています。
ちなみに、紅舌より深い紅の舌を、絳舌といいますが、分かりづらくなるので、ここでは紅舌に含めます。

では、色が薄くなり淡白舌になるものの意義は何か。
体を温める力が弱かったり(陽虚)、血が不足するとみられます。
淡白舌
写真の淡白舌は、見るからに血の気がなさそうですよね。
貧血のような症状で、写真のような舌質であれば、ほぼ血虚が体の不調の原因だと思われます。
淡白舌で、舌の辺縁に歯の痕があれば、一般的には陽虚とみます。
ただ、当院にこられる患者さんの大半に歯痕がみられます。
陰虚の患者さんにもみられたりするので、歯痕は現在もしくは過去に気虚があったという参考までで判断の基準にはあまり考えていません。
詳しくは追々説明しますね。

基本的には、紅舌の方は暑がりで、淡白舌の方は寒がりです。
ただ、紅舌の方でも冷え性を訴える方が結構います。
そういう方はだいたい末端に冷えを感じていますが、内側は冷えていない方が多いんです。
内側というのは、例えば便秘しやすかったり、食欲が旺盛だったり、排尿回数が少なかったりです。
さらに、特に陰虚の方は、お灸の熱に敏感だと感じています。
淡白舌の方は冷えているせいで熱を感じるまでに時間がかかるのですが、陰虚の方は熱いというのを速く感じるようです。

今日はここまでで。
内容が分かりづらくなってしまい申し訳ありませんが、あまり深く考えずに、自分は熱っぽいタイプなのか、冷えっぽいタイプなのかくらいの気持ちで確認してみてください。



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石上鍼灸院

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