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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆舌診① 舌診とは

2016年7月14日(木) 晴れのちにわか雨

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

本日は舌診についてお話ししたいと思います。
舌の状態をあまり気にしたことがない方も多いと思いますが、最近は舌の苔専用の歯ブラシが発売されたりと、オーラルケアを気にしている方も増えてきました。
実際当院の患者さんでも、いつも舌の苔を取っているという方が結構います。
中医学での診断では、色々な症状から様々な病証の可能性を考えています。
例えば口臭が強い場合、唾液が少ない→津液が不足→陰虚の可能性がある
胃からくるような口臭であれば、胃に熱が強い可能性がある、などです。

そのような病証が最もよく現れるひとつが、舌です。
脈の方がもっとよく現れると私は感じていますが、患者さんが自分で確認するには舌の方が分かりやすいので、今回は舌をしっかりみていきましょう。

舌の状態で、体が熱っぽい体質なのか、冷えているのか、血の巡りが悪いのか、余分な水分がたまっているのか、などの体の中を客観的に診ることが出来ます。
そのためには、正常に近い舌の状態を確認しておきましょう。


正常舌

淡紅舌、薄白苔といいます。
舌質の色がピンク色で、上にのっている苔が下の舌の色が確認できるくらいうっすら白いことです。
他に、神気があると言って、艶や潤いがある状態です。
また、舌の形が凸凹していないで、シュッとなっています。

舌の状態は、食事をしたり、運動したりすると変化するので、基本的には朝の起床時の状態を確認するのが良いようです。
まずは、自分の舌がどんな状態か、確認しましょう。

ということで、お恥ずかしいですが、現在の私の舌の状態をご報告。

舌

舌質は淡紅舌に近いですが、やや紫暗のところがみられますね。
裂紋も少しあります。
苔は薄白苔です。
写真を撮る前にコーヒーを飲んでしまい、歯を磨いたのですが、少し苔が一部黄色っぽくなってしまいました。
これはコーヒーのせいです。
歯の辺縁が凸凹していますが、これは以前歯を食いしばって舌を噛んでしまう時期があって、そのせいです。
後々説明しますが、歯痕とは違います。
現在は体も精神も健康状態はいいので、舌の状態も比較的良いと思います。

現在血の巡りが悪いのですが、数年前は舌質がもう少し紅く、暗っぽかったんです。
一時期から、目の下のクマが出来やすくなり、さらに顔のシミが急に増えました。
また、唇の色も暗っぽくなり、瘀血の症状がみられました。
以前の舌の写真を撮っていませんが、舌の写真に近かったです。

おはん
瘀点や瘀斑がみられます。
今は、血の巡りをよくするツボへの針治療でここまで良くなりました。

7年前ごろ、胃腸の調子が悪い時期がありました。
精神的にも、思い悩み過ぎた時期で、気づくと歯を食いしばっていた時期です。
この頃に舌を噛んでしまっていたんですね。
中医学での、脾気虚の状態です。
その頃の舌には、歯痕がありました。
歯痕とはこんな感じです。

歯痕
舌の辺縁に、歯の痕がついて凸凹しています。
私の歯痕は、浅かったので、胃腸の働きが良くなるにつれてなくなりました。

というように、舌を診ることで様々な状態を確認することができます。
次回以降は、歯痕がなぜ起こるのかとか、舌の色などについてお話ししていきます。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

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