◆睡眠についてB
2016年6月15日(水) 曇り
こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
今回は途中で目が覚めることについてです。
すぐに目が覚める方は、血虚や陰虚に多くみられます。
陰虚については前回お話ししたように、虚熱により深く寝ることが出来なくなります。
やはり、肝腎陰虚や腎陰虚によくみられます。
今回は血虚について詳しくお話しします。
血虚について、「睡眠について@」の中の心脾両虚のところで少し触れています。
まず、中医学でいう血の働きについて。
血は、現代医学でいう血液と同じものなので、同じような働きがあります。
血液が体のいたる所を巡っているので、皮膚が作られたり、爪や髪の毛が伸びたり、体温を維持したり、筋肉を動かすことが出来ますよね。
それと同じ働きです。
そのため、血が不足すると、筋肉が痙攣したり、知覚が鈍ったり、手足の末端が冷えたりします。
また、爪がもろかったり縦溝がはいる、髪の毛の艶がなくなる、乾燥肌などもみられます。
さらに、目は血の消耗が激しいところなので、目の疲れや痛みなどもみられることがあります。
ここまでは、理解しやすいですね。
だた、中医学では、さらに血の重要な働きがあります。
それは、精神活動の栄養源にもなるということです。
脳を動かすには糖が必要なのは有名ですよね。
糖は血液で脳まで運ばれて、脳が活発に働くことを考えれば少し理解しやすいかと思います。
血が充実していると、精神や情緒が安定します。
逆に血が不足すると、不安感、情緒不安定、不眠などの症状があらわれます。
この働きが睡眠には重要になってきます。
心血が不足すると、心神を養えなくなり、安定した心理状態を維持できなくなります。
それにより睡眠に異常が生じてしまいます。
陰には血、津液、精が含まれるので、厳密に陰虚と血虚を分けることは難しくなります。
分かりづらいですが、どちらの症状が強く出ているかで、陰虚を中心に治療を行うのか、血虚を中心に治療を行うのか、見極めて治療を行います。
では、なぜ血が不足するかですが、一番分かりやすいのは出血ですね。
事故などでの大出血は大惨事ですが、事故などではない出血は、月経があります。
女性は毎月体から血がなくなっています。
また、胃潰瘍などの内臓からの出血もあります。
出血以外の血不足の原因は、他に主に次の2点が考えられます。
血の生成がうまくできないことと、血を消耗してしまうことです。
血の生成は脾の消化吸収の働きがもっとも重要になります。
食べたものをしっかりと気血に変えて吸収できるかということです。
この脾が、過労や暴飲暴食、思い悩み過ぎることにより損傷してしまうと、気血の生成が十分に行われず、血の不足を招いてしまいます。
血を消耗するのは、加齢、病気の長患い、思い悩み過ぎて脳を使いすぎる精神的疲労が主な原因となります。
また、運動のやり過ぎも血を消耗するので、睡眠が浅くなることがあります。
実は私はこのタイプです。
大学時代から運動しない日はないくらいスポーツクラブのバイトなどで運動をしていました。
そのため血を消耗していたと考えられますが、20歳ころからちょっとした物音でも目がパッと覚めるようになりました。
昔友達の家に泊まった時に、友達がちょっと音を立てただけで私が起きたので、
「お前は、レオンか!」と言われたことがあります・・・。(分からない方はレオンで検索を)
さて、血虚の方の対策ですが、今までお話しした中で原因がはっきりする場合はその原因を解決しましょう。
月経不順や出血過多であれば、そちらを整えないと血虚が解消されません。
思い悩み過ぎる方は、まだ起きていないことをずっと考えていることがあります。
先を考えることは悪いことではありませんが、こういった方はだいたい悪い方向に考えを巡らせています。
ネガティブな考えは底なし沼です。
決してハッピーな結果に思考がつながりはしません。
そんな時私は、諦めます。
「まだ何も起きていないのにこんなに考えて、疲れを感じているなんてばからしい。その時が来たらその時に考えよう。大丈夫、自分なら出来る」と。
過去を振り返っても、未来を考えすぎても脾虚の方はいい方向に行かないことが多いので、まずは今、現時点だけをしっかり見つめるようにしましょう。
あと、睡眠不足は気血不足を招きますし、就寝時間が遅くても血虚を招きやすくなります。
もちろん食生活も大事になります。
血虚の方が摂ったほうがいい食材は「睡眠についてA」で、気血を補う食材としてお話しています。
おすすめは、落花生、ピーナッツです。
手軽に食べることができますので。
あと私は、養血のために朝ごはんに必ずヨーグルトにレーズンとクコの実をいれて食べています。
この情報は何度もブログに載せていましたね。
皆さんもご自分で自分に合った食べ方を見つけて習慣にしてくださいね。
睡眠については今回でおしまいになります。
〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860