◆望診:顔色が赤い
2016年2月19日(金)
こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
今日は中医学での「望診」についてです。
先日お話したように、望診とは見る(視覚)ことによって体の状態を把握することをいいます。
先日は「顔色が黄色い」についてでしたが、今日は「顔色が赤い」についてです。
一般的には、顔全体が赤い場合は実熱で、頬のあたりが赤い場合は虚熱と考えます。
実熱とは、色々ありますが、分かりやすものだと「風熱の邪気」です。
風熱の邪気に侵されると、熱カゼの症状が出ます。
悪寒よりも発熱が強く、のどが渇き水を飲みたがります。
また、のどの腫れも強いので、扁桃腺が腫れるカゼなどがこれに当たることが多いです。
もちろん、発熱が強いので顔が赤くなりますね。
虚熱というのは、体の熱を冷ます陰が不足することで発生する熱のことです。
体温でいうと、微熱ぐらいのことが多いです。
全身性エリテマトーデスなどの蝶形紅斑はこの虚熱にみられる頬の紅潮と捉えられます。
以上が一般的な教科書的な望診ですが、実際はもう少し複雑ではないかと私は考えています。
実熱には、肝火上炎や心火上炎など臓腑に発生した火によるものがあります。
また、虚熱には、肝陽上亢や心腎不交などの陰虚が主体で生じるものもあります。
私の患者さんで、腎陰虚が主で、心腎不交になった病証の方がいます。
調子が悪いときは顔全体が赤くなります。
心火が強くなって心火上炎を起こしたと考えられます。
また、肝陽上亢の方もいますが、やはり顔全体が赤いことがよくあります。
この方は陰虚が主体で、突発性難聴を起こした方です。
これ以上話すとややこしくなってしまうので、お話したいことをまとめます。
中医学では、この症状は実熱、この症状は虚熱とはっきり区別することが出来ないことが多々あります。
上の例のように、もともと陰虚による虚熱がみられ、ストレスなどをきっかけに熱が強まり、実熱のような症状が出ることもあります。
人の体は色々なものが助け合ったり、抑制し合って成り立っています。
中医学は一つの症状だけで診断することしません。
様々な症状を観たり、聴いたりして総合的に判断しますので、望診が非常に大事な診断方法になってくるんです。
だから中医学は奥が深くて、面白いんだと思います。
顔色の話に戻りますね。
実熱の場合に食べた方がいい食材について。
熱を取る食べ物が向いています。
セロリ、せり、白菜、にがうり、きゅうり、トマト、レタス、緑豆
すいか、りんご、キウイフルーツ、梨、ココナッツ、パイナップル、緑茶などです。
虚熱の場合は、
レモン、りんご、梨、キウイフルーツ、バナナ、ごま、白きくらげ、蜂蜜
乳製品、豆腐、ツバメの巣、鴨肉、豚肉、ホタテ貝、ムール貝、カキ、カニなど
もちろん顔色だけで判断は出来ませんが、熱っぽい方は上記の食材を摂るようにしてみましょう。
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