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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)に基づく施術を行っている鍼灸院です。

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舌診

舌診とは?

 舌診とは、舌質・舌苔・舌下静脈を観察することによって、疾病の性質・病位の深さ・病気の進退・正気の盛衰を判断する診断方法です。

 中医学では、人体とは多数の経絡によってつながる全体的なものと考えています。体内の臓腑経絡・気血津液・邪正闘争などの様々な状況は、経絡を通じて必ず体表に現れます。そのため昔から、舌は「内臓の鏡」と称されています。

舌をどう見るのか?

 まず正常に近い舌を見てみましょう。
正常舌 舌質の色は薄いピンク色で、舌体はほどよい大きさで自在に柔軟に動かすことが出来ます。
 舌苔は薄く、白色で、均等に覆われていて、適度に潤っています。苔は拭いても取れません。
 これは臓腑機能・気血津液が正常で邪気のないことを示しています。
 
【淡紅舌・薄白苔】
参考文献)東洋学術出版社「CD-ROMでマスターする舌診の基礎」

 上の写真が正常に近い舌ですが、PCによっては紅舌気味に見えてしまうかもしれません。ご了承ください。
 正常舌を基準にして、赤いのか、白いのか、苔がないのか、厚いのかなどをみて、体内がどのような状態になっているのかを診ていきます。細かくみると難しくなってしまうので、基本的な舌の説明をしていきます。

舌色


  • 淡白舌
 淡白舌は血色が少ない舌です。淡いものや、皮をむいた鶏肉のような血色がないものなどがみられます。

淡白舌 このような舌色は、気血が虚していたり、温める力が弱っている(陽虚)とみられます。

 慢性疲労症候群、貧血、めまい、むくみ、栄養失調、各種慢性疾患、甲状腺機能低下症などによくみられます。


  • 紅舌
 淡紅舌よりも舌色が赤い舌です。

紅舌 このような舌色は、熱を示しています。熱の邪気が侵入してきていたり、熱を冷ます働きが弱っていたり(陰虚)するとみられます。

 急性発熱性疾患、伝染性疾患、化膿性疾患および慢性炎症、または交感神経の興奮、甲状腺機能亢進症などによくみられます。

  • 紫舌
 舌色は紫色を帯びていて、暗いので「暗舌」とも呼びます。

紫舌 このような舌色は、気血の流れが悪くて凝滞してるときにみられます。熱によって血液が濃縮する、冷えによって血脈が収縮する、気がめぐらないことで血もめぐらないなどが原因で起こります。

 慢性疼痛、不整脈、心脳疾患、肺性高血圧、慢性肝疾患、婦人科疾患、運動神経疾患、しもやけ、微小循環障害などによくみられます。

舌形


  • 老舌
老舌 舌のきめが粗く、硬く引き締まったような感じがするものをいいます。しわの多い皮膚の粗い老人の顔のように見えるため、「老舌」と呼ばれます。

 このような舌は、邪気が盛んですが、正気が弱っていないことを示しています。

  • 嫩舌
嫩舌 舌のきめが細かく、柔らかい感じがするものをいいます。乳児の柔かな頬のように見えるため、「嫩舌」と呼ばれます。

 このような舌は、正気が弱っていたり、臓腑機能の低下を示しています。


  • 歯痕舌
歯痕舌 舌の両側にギザギザした歯の痕がみられるものをいいます。よく胖大舌(正常より大きく腫れぼったい舌)とともに現れます。

 このような舌は、陽虚(温める力が弱い)によって、水湿が体に停滞していたり、脾気の機能が弱っていて、気や血が不足することでみられます。

  • 瘦薄舌
瘦薄舌 舌体が細くて小さい、または薄いものをいいます。

 気血や陰液が不足することでみられます。


  • 舌下脈絡
舌下脈絡 舌裏に見える2本の舌下静脈を指しています。健康な舌下静脈は、長さが舌尖までの3分の2以下、太さは2.5~2.7㎜以下です。異常な舌下脈絡は正常の長さや太さを超え、青紫色で怒張・蛇行しています。あるいは静脈瘤のような結節が見られたりもします。

 瘀血証(血の巡りが悪い)でみられます。

舌苔


  • 白苔
白苔 苔の厚さや性状にもよりますが、白苔は邪気が体表に侵入したばかりのもの(カゼ様症状)、寒邪や湿邪が中に侵入したもの、食べものが消化吸収できずに留まっているときにみられます。

 白苔は主に、病気やカゼの初期、寒冷性疾患、冷え性、胃腸障害などによくみられます。

  • 黄苔
黄苔 一般的に黄苔は熱を主ります。邪気が表から裏に入り、病証が寒から熱に変化したことを示しています。黄色ければ黄色いほど、熱が重くなります。

 黄苔は急慢性発熱性疾患、化膿性疾患、伝染性疾患、胃腸炎、胆のう炎、肝炎などの炎症によくみられます。

  • 灰苔・黒苔
黒苔 裏証の重症にみられます。灰苔は黒苔より症状が軽く、黒苔は灰苔より症状が重いものを示しています。基本的には、熱が非常に強いことを示しますが、陽虚寒盛によって水湿痰飲が長く停留したものでもみられます。

 灰苔と黒苔は、高熱、脱水、化膿性疾患、発熱性疾患、慢性炎症の重篤なものなどによくみられます。


 その他、苔の乾燥状態などを診たりもしますが、判断が難しくなってしまうので、このくらいの説明にしておきます。以上でも十分ご自分の体質や現在の体調を確認することが出来ますので、是非参考にしてみてください。最後にイラストも載せておきます。

イラストで見る


舌診




































石上鍼灸院ブログ 「舌診について①」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について②」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について③ 紅舌、淡白舌」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について④ 紫舌」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について⑤ 歯痕」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について⑥ 舌下脈絡」


石上鍼灸院ブログ 「舌診について⑦ 紅点」

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