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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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症例14 ステロイドを使用しなかった顔面神経麻痺

◆70代 男性 / 初診日 201×年10月9日

  • 主訴
 9月27日に発症した顔面神経麻痺

  • 現病歴
 9月27日に少し右顔面部に違和感があり、夕方には口のゆがみがみられた。9月30日に耳鼻科を受診。ステロイドを勧められるが、糖尿病の既往歴があることもあり、ステロイドは使用しなかったとのこと。ステロイドを使用しなかったため、ドクターが言うとおりだいたい1週間の10月4日まで症状が悪化した。その後は特に良くも悪くもなっていない。
 思い当たる原因はないが、発症前日に同窓会でお酒を飲んだとのこと。

 二便正常。睡眠は夜間尿が2~3回/日のため浅い。顔は温めると楽になる。

 既往歴: 大腸がん、糖尿病

  • 所見
 体型は少し太め。肌つやはよい。足に軽度のむくみ。足の肌の色が黒い。

 ・額のシワはつくれない
 ・目は閉じられるが、左に比べるとかなり閉じる力が弱い
 ・口から空気が抜ける
 ・食べ物が頬にたまる
 ・口を「イー」とすると、左に引っ張られる

 舌診: 暗紅舌、黄膩苔  脈診: やや渋 尺中がやや弱い

  • 証名
 ・風寒阻絡 ・・・ 風寒の邪が顔の経絡を阻むことで顔面部に気血が届かずに発症

 ・血
と腎虚を兼ねる

  • 治法
 ・去風散寒 ・・・ 風邪と寒邪を追い払う

 ・
舒筋活絡 ・・・ 顔面部に気血を巡らせる

  • 針灸治療での使用経穴
 合谷、足三里、陽白、太陽、下関、地倉、頬車、夾承漿、顴
 太谿、復溜、三陰交、関元など
 顔面部に棒灸を行う

  • 経過
 【2診】 10/14
 治療翌日から顔の状態がよくなったとのこと。額にシワをつくることができるようになる。閉眼も前回より強くできるが、左に比べると弱い。口の空気は抜けなくなるが、イーと口を広げると左に引っ張られる。
 舌質は暗紅、薄膩苔になる。 脈状は平で、尺中は弱い

 【3診】 10/18
 額のシワは左右差がないまでに回復。閉眼も左右差なし。ぱっと見は正常に見えるが、イーと口を広げると左に引っ張られる。前回よりは改善。前日耳鼻科に行ったところドクターが回復が早いことに驚いていたとのこと。

 【4診】 10/21
 イーと口を広げてもあまり引っ張られなくなる。あともう一息といったところ。

 【5診】 10/28
 イーと口を広げても左右差がないくらいになる。笑っても右の口角がしっかり上がるので、違和感がみられない。舌質がやや淡紅に近づき、膩苔も薄くなる。腎は弱いが、顔面神経麻痺の治療はこの日で終了としました。

 発症から1ヶ月という短期間で治ったケースです。
 顔面神経麻痺の患者さんで、ステロイドを使用しなかった患者さんは初めてでした。通常はステロイドにより神経の損傷を最低限に抑えて、メチコバールなどの神経の回復を促す薬で治療するのが一般的です。他の患者さんで発症当日にステロイドを始めた方は、1ヶ月程度で治癒しました。やはり現代ではステロイドは第一選択肢になると思います。
 ただ、ステロイドがなかった昔から針灸治療は顔面神経麻痺に効果があることは知られていました。今回も早期回復の一助になれたのではないかと思います。

 耳鼻科の先生同様、治療した私自身も想像していた以上に回復が早かった症例です。全ての方の症状がこのように改善されていくといいのですが、難しい方がいるのも確かです。日々精進して、多くの方に「針灸治療は効果があるね」と言って頂けるよう邁進してまいります。

 最後に、この患者さんは回復しましたが、ステロイドを使用しない方が良いということではないので、読み違えないようにお願いします

「顔面神経麻痺」についての中医学での考え方はこちら

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