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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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〒332-0023 埼玉県川口市飯塚3-7-28

症例13 アトピー性皮膚炎

◆40代 男性 / 初診日 201×年6月29日

  • 主訴
 肌のかゆみ、かさぶたや皮膚が落ちること

  • 現病歴
 10代でアトピー性皮膚炎を発症。今回は、2、3ヶ月前に仕方なく喫煙所にいたことから症状の悪化がはじまった。本人は喫煙しない。
 症状は、かゆみが非常に強く、肌が乾燥し、落屑もあり、かさぶたもポロポロと落ちる。
 今までの経緯として、10代の発症時にはステロイドを使用していて、良くなったり悪くなったりしていた。しかし、徐々に悪化し始めたため、ステロイドの使用をやめ、中国北京の大学病院で漢方治療を6か月間行う。その後も処方された漢方を2年間飲みつづけ、寛解に至る。
 今回は出来れば中国には行かず、日本で漢方薬と針灸治療で治療をしたいとのこと。

 二便正常。睡眠はかゆみによりあまり良くない。自営業のため経済的なストレスなどは常にある。湯船で温まると悪化する。視力は0.1以下で、眼精疲労を感じる。目のかすみがたまにある。

  • 所見
 がっちりした体型。皮膚が全体的に紅い。特に顔、首、背中が強く、背中は赤黒さがみられる。肘や膝裏などは皮膚が硬く厚くなっている。手は乾燥していてカサカサしている。

 舌診: 淡暗舌、辺尖紅、薄白苔  脈診: 滑やや数、左関尺が弱い

  • 証名
 ・本質的には、血虚 ・・・ 皮膚に栄養を与える「血」が不足している

 ・現在は
血熱によるかゆみが強くなっている 
   ・・・ ストレスなどにより熱が血に入っていまい、皮膚の紅さ、かゆみが強く出ている

 ・
をかねる
   ・・・ 長患いにより血の巡りが悪くなっている

  • 治法
 ・養血潤皮 ・・・ 血虚に対して、血を増やして皮膚に潤いを与える

 ・
清熱涼血 ・・・ 血の熱を取り去り、血の働きを正常な状態に戻し、かゆみを抑える

 ・
活血化 ・・・ 血が巡るとかゆみが抑えられるという古典の考えから、かゆみを抑える

  • 針治療での使用経穴
 風池、大椎、陶道、膈兪、委中、風市、合谷、曲池、血海、内庭、太衝
 曲泉、陰谷、太谿、復溜、足三里、三陰交 などを状況によって選択

 週2回の治療を行う

  • 経過
 【2診】 7/4
 皮膚の変化はみられないが、何となくいい気がするとのこと。かゆみも強くある。
 初診時と同様の治療を行うが、やや熱をつるため瀉法を多めに行う。

 【3診】 7/6
 皮膚の紅さが少し良くなる。特に内ももとお腹が良くなる。かゆみは強くある。

 【4診】 7/10
 薬局で相談して、「十味敗毒湯」を勧められ服用しはじめたとのこと。前回から変化がない。むしろ少し紅さが戻った感じもある。
 十味敗毒湯の効能は発汗解表・消瘡止痛なので、合わないのではないかと感じ、清熱と養血の漢方を相談してみてはとお話した。

 【5診】 7/13
 十味敗毒湯はやめて、「黄連解毒湯」と「当帰飲子」を服用。黄連解毒湯を飲んだ時に、中国で処方された漢方と同じ味がしたとのこと。おそらく黄連解毒湯と同様な処方がされていたのだろうから、当時も清熱を主に治療が行われたと確信。皮膚の紅さが低下し、少しいいとのこと。

 【6診】 7/17
 皮膚の状態はよくなってきたとのこと。かゆみはあるが、睡眠中にかゆみで起きることが少なくなった。

 【11診】 8/3
 かゆみが低下し、痛みがもどってきている。ご本人いわく、良くなっていく過程で痛みが戻ってくるそうです。首の皮膚の状態がよくなり、背中の赤黒さもなくなってきている。

 【13診】 8/10
 全体的に肌がきれいになってきている。膝の裏の皮膚の厚みがなくなり、委中の取穴もしやすくなる。かゆみも痛みもかなり楽になってきたとのこと。

 【20診】 9/14
 肘の皮膚の厚みも薄くなり、皮膚の状態はかなり良くなっている。かゆみは少しある。手の指の間や肘にカサカサが目立つ。肌の状態がいいので、治療間隔を週2回から、週1回にする。

 【24診】 10/14
 かゆみはない。黄連解毒湯もかゆみが出たときだけ服用。手のカサカサもほぼなくなり、肘の厚さも正常に近づく。

 その後は体調の安定を図り、寛解となると思います。(症例作成時10/16)


 この患者さんは治す意志が非常に強く、食生活から日常生活まで自己管理を徹底されました。清熱のために、黄連解毒湯を服用し、辛い物や甘いものを食べていません。また、養血のために、当帰飲子を服用し、レーズンやナッツ類などを摂るようにしました。そのかいがあり、非常に速いスピードで皮膚の状態が改善されました。治療ごとに肌の状態が良くなっていくのが分かるので、治療している私の方がワクワクしてしまいました。
 私は漢方を処方できる資格はありませんが、針灸治療+漢方はどちらか一方だけよりも治療効果が高い可能性を感じました。また、患者さんが私のことを素直に受け入れていただけたことに感謝です。この点も治療効果が高かった理由の一つと思われます。

【追記】
 11/25、皮膚の状態が発症前と同様となり、症状が緩解したとして針灸治療を終了。
 乾燥の時期なので、保湿をしっかりと行うことと、仕事がネット関係なので、生活リズムに十分気をつけてもらうことをお願いし、当院を卒業となりました。「もしまた何かあっても中国まで行かなくて済むことが分かったので良かった」という言葉を頂きましたが、出来れば症状が悪化しないで来院せずにすむことを願っております。

アトピー性皮膚炎についての中医学での考え方

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【患者さんの来院範囲】
埼玉県川口市、さいたま市、草加市、蕨市、越谷市、戸田市、和光市
東京都北区、板橋区、練馬区、足立区、群馬県、千葉県、神奈川県などから来院していただいています。


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