本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)に基づく施術を行っている鍼灸院です。

〒332-0023 埼玉県川口市飯塚3-7-28TEL:048-446-9860

info@ishigami89.com

耳鳴り・難聴

耳耳鳴りとは外界に音がないのに耳内に鳴声を感じることで、難聴とは聴覚が低下して外界の音が聞こえないことです。この両者は合併することが多く、密接な関係があります。

現代医学からみた「耳鳴り・難聴」

耳の働き

耳
 耳には音を聴く働きと体のバランスを取る働きがあります。外耳と中耳は外からの音を内耳にまで伝える働きをしていて、内耳の蝸牛で外から伝わってきた音を感じとり、電気的な信号に変えて脳に伝えています。内耳の蝸牛以外の部分は前庭といい、三半規管と耳石器という平衡器官があって、体の平衡感覚を保つ働きをしています。
 中耳内の空間と鼻やのどの奥をつなぐ耳管は、中耳から内耳へ音をスムーズに伝える働きをしています。鼓膜の内外で空気圧の差が起こると、鼓膜に圧力がかかり痛みや不快感が起こることがあります。飛行機に乗った時によく起こりますが、つばを飲み込むと耳管が開いて外の空気が入り込み、鼓膜内外の空気圧が均一になり、痛みや不快感が治まります。

「耳鳴り・難聴」の原因

 原因のはっきりしている疾患は以下の通りですが、それ以外のものに関しては、いまだ原因ははっきり分かっていません。耳鳴りは、内耳から脳に至る聴覚経路のどこかで、外からの音以外に、神経の一部分が活性化されてしまっていて生じると推測されています。

  • 内耳障害性耳鳴り・感音性難聴
内耳より中枢の障害により起こる。耳鳴りの約75%を占める

・老人性難聴…加齢が原因の聴覚障害
・メニエール病…内耳の内リンパ水腫
・進行性両側感音性難聴…特発性、遺伝性、外傷性
・一側性慢性感音性難聴…先天性、ウイルス性、外傷性

  • 伝音性耳鳴り
外耳や内耳の障害により起こる。耳鳴りの約20%を占める

・中耳炎…細菌あるいはウイルスによる中耳の炎症
・耳垢栓塞…皮膚や汗、ほこりなどを含んだ耳垢がつまった状態
・外耳道異物…子供がおもちゃや豆などを耳に入れることで起こります

  • 伝音性難聴
外耳や中耳の異常

・中耳炎(急性・慢性)  
・耳垢栓塞
・真珠腫性中耳炎…中耳炎を繰り返すうちに一部の上皮組織が球状に増殖して耳の周りの骨を破壊する病気
・滲出性中耳炎…急性炎症を伴わず、中耳に滲出液がたまっている状態
・耳硬化症…耳小骨のなかのアブミ骨の動きが悪くなる病気
・耳管狭窄症…耳と鼻をつないでいる耳管が狭まった状態

突発性難聴とは

ある日突然、急に片方の耳の聞こえが悪くなる病気で、全然聞こえなくなる重症例から、何となく耳のつまった感じがする軽症例までさまざまです。難聴以外に、耳鳴りやめまいを伴うこともみられます。
原因は不明ですが、内耳にある蝸牛の中の音を感じる神経細胞の障害で起こるといわれています。誘因として、過度のストレス(過労、心労、睡眠不足)により、蝸牛を流れる細い血管の血液の流れが悪くなり、神経細胞への栄養が足りなくなったり、心臓疾患、動脈硬化、糖尿病、高血圧などの持病がある方においては、血栓で血管が詰まってしまい、酸素が行きわたらなくなることなどが考えられています。

メニエール病とは

メニエール病は内耳の病気で、繰り返すめまいに難聴や耳鳴りを伴うものです。一般に、片側の内耳の障害ですが、時には両側とも障害されることもあります。内耳を満たしている内リンパ液が過剰になることが原因と考えられています。しかし、この内リンパ水腫がなぜ起こるかについては不明です。先進国に生活する人に多く、発展途上国の人には少ないことから、ストレスがこの病気の発症に関係しているといわれています。
症状は、何の誘因もなく突然、回転性のめまいが起こり、めまいと同時か少し前から、片耳に耳鳴りや耳の閉塞感、難聴が起こります。激しいめまいは普通30分くらいから数時間続き、めまいの軽快とともに耳鳴り、耳の閉塞感、難聴は軽くなったり消失したりします。しかし、めまいを何回も繰り返しているうちに、めまいが治まっても耳鳴りや難聴は軽快しないようになってしまいます。

中医学からみた「耳鳴り・難聴」

 耳鳴り・難聴には、虚実さまざまな原因があり、肝・胆・脾・腎など多くの臓腑と関わり、なかでも肝・腎との関係が最も深いです。一般的にいえば、急性の多くは実証であり、肝胆の火が耳竅を犯したか、もしくは風邪が耳竅をかき乱したか、あるいは痰火により耳竅が阻害されたか、または気血瘀阻から起こる場合が多い。病程が長く、症状が徐々に悪化したものは、多くが虚証で、肝・腎などの臓腑の精気が虚弱になり、清竅を満たせなくなり起こる場合が多いです。

中医学での耳

 聴覚機能が正常であるためには、精・髄・気血によって滋養され、とりわけ腎気が旺盛であることが必要となります。腎気は耳に通じ、耳は腎臓の苗竅でもあるので、腎気が旺盛であれば聴覚機能は鋭敏となり、反対に腎気が虚損すれば聴覚機能は減退します。例えば高齢者は腎気が虚損するので、聴覚を失うことがあります。耳の疾患の多くは腎に関係しています。同時に耳は心・肝・脾などの臓とも連絡しています。

関係する臓腑の働き

腎【腎について】
 五臓のうちのひとつです。主要な生理機能は、精を貯蔵することと生長・発育・生殖・水液代謝を主ることです。腎の蔵精機能には2種類あり、1つは腎臓の精気(男女の精機能と理解される)を貯蔵することで、もう1つは五臓六腑が化生した水穀精微の気を貯蔵することです。腎が貯蔵する精気には先天の精と後天の精があります。両者を枯渇させないためには、飲食水穀をたえず補充することが必要です。この両者は、人体の生長発育を維持するうえで不可欠の精気です。
 また腎精は骨と髄を滋養します。髄は脳と通じているので、腎は脳・髄・骨の生長・発育・機能の状態と直接関係しています。腎精が充足していれば、人体は自ずから精力に溢れ、歯は堅牢で頭髪は黒く光沢があります。もし腎精が不足すれば、例えば、新生児の場合は生長が遅くなり、泉門の閉鎖が遅れ、骨が弱く、知能が発達しない。成人では老化が早くなります。男性は精力が少なく、女性では初潮の遅れや無月経・不妊などの症状が現れます。
 水液は腎に下降し、その濁液は腎の気化作用を経て膀胱から体外へ排出されます。したがって、腎は体内の津液代謝のバランスを維持する重要な器官です。腎にはまた納気機能があります。肺が吸入した清気を摂納し、呼吸機能を正常に保ちます。このほかに骨格の状態・聴覚の鋭敏さ・大小便の排泄機能・歯の発育などとも密接に関係しています。また恐れや驚きという精神状態と関係があります。

【腎開竅於腎】 腎は耳に開竅す
 耳の聴覚が腎臓の精気の盛衰と密接な関係があることを指摘した言葉です。腎の精気は経脈を経て耳に通じているため、腎の精気が満ち溢れていれば聴覚は鋭敏になり、音に対する識別能力が高まります。もし腎中の精気が虚衰すれば、耳鳴り・聴力減退などの症状が起こります。そのため、人は老いると腎の精気が虚衰するため、聴力が減退します。

【肝腎同源】
①肝と腎の関係は実質的には精と血の関係であり、精血同源なので肝腎同源であるという意味です。肝は血を蔵し、腎は精を蔵します。血の化生は腎中の精気の気化によってなされ、腎中の精気が充盛であるのは血液に滋養されるおかげです。
②肝は疏泄を主り、腎は封蔵を主る。両者は相互に制約し、強調しあって肝血を滋養し、腎精を盛んにします。
③肝と腎はどちらも内に相火をもっています。相火はどちらも命門を起源としており。両者の起源が同じなので、肝腎同源といわれます。

病因

(1)風熱の感受
風熱を感受 → 経絡に邪が鬱滞する → 清竅を壅閉する → 耳鳴り・難聴

(2)情志の失調
肝気鬱結 → 気鬱して化火する → 清空を上擾する → 清竅を壅閉する → 耳鳴り・難聴

(3)飲食の不節制
過食、脂っこいもの、過度の飲酒 → 体内に痰湿が発生 → 痰湿が熱化 → 痰火が上擾 → 清竅を壅閉する → 耳鳴り・難聴

(4)虚弱体質
・腎気不足、節度のない性生活 → 腎精不足 → 髄海が空虚 → 清竅の濡養が失われる、虚化が清竅を上擾する → 耳鳴り・難聴
・脾胃の虚弱 → 気血の生化不足 → 気血不足 →  清竅の濡養が失われる → 耳鳴り・難聴


弁証施治


  • 風熱襲肺
外感風熱、あるいは風寒の化熱により肺が風熱の邪を受けると、肺の絡は耳中に入るので、火邪が上犯して竅と絡をふさぐために生じます

【症状】片側あるいは両側の難聴、風が吹くような耳鳴り、耳閉感

【随伴症状】鼻閉、鼻汁が多い、頭痛、発熱

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は薄、脈浮数
【治法】宣肺清熱
【良い食材】百合根、白ごま、梨、柿、羅漢果、蜂蜜、豆乳、セロリ、白菜、大根、きゅうり、トマト、豆腐、緑茶など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、肺兪、合谷、曲池、外関、翳風、聴会など

  • 肝火
怒りなどによって肝胆の気が経を上逆したために生じる。実証

【症状】突発性の難聴と耳鳴り、鐘の音・雷鳴・潮騒のような耳鳴り、耳が脹って痛む、耳閉感

【随伴症状】口が苦い、顔面紅潮、目の充血、便が硬い、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は黄、脈弦数
【治法】清肝瀉火
【良い食材】あわ、白菜、大根、にがうり、きゅうり、トマト、なす、りんご、梨、キウイフルーツ、豆腐、緑茶など
【鍼灸治療代表配穴】風池、大椎、肝兪、大敦、行間、翳風、聴会、曲池、委中など

  • 肝陽上亢
ストレスや肉体疲労による肝腎陰虚で肝陽が上亢するために生じる。本虚標実

【症状】聴力減退、耳鳴り、めまい

【随伴症状】頭が脹って痛む、顔面紅潮、目の充血、不眠、健忘、のどや口の乾燥感、膝や腰がだるく無力

【舌診・脈診】舌質は紅で乾燥、脈細弦で数
【治法】滋腎平肝
【良い食材】小松菜、アスパラガス、卵、鴨肉、豚肉、アワビ、カキ、ホタテ貝など
【鍼灸治療代表配穴】風池、肝兪、腎兪、太谿、三陰交、太衝、曲泉、翳風、聴会など

  • 肝血虚
血の不足、大量の出血、慢性病による陰血の消耗などで、肝血が不足したために生じます

【症状】増減する蝉の鳴き声のような耳鳴り、聴力減退、めまい

【随伴症状】多夢、目の乾燥感、視力低下、疲労したり午後になると症状が悪化

【舌診・脈診】舌質は淡、脈は細
【治法】養血補肝
【良い食材】米、とうもろこし、はと麦、落花生、ほうれん草、キャベツ、じゃがいも、かぼちゃ、ぶどう、ライチ、納豆、しいたけ、栗、蜂蜜、牛肉、鶏肉、レバー、イカなど
【鍼灸治療代表配穴】肝兪、脾兪、腎兪、血海、膈兪、足三里、三陰交、太衝、翳風、聴会など

  • 腎陰虚
ストレス、慢性病、性生活の不節制により腎陰虚となり生じる

【症状】次第に聴力が減退する、蝉の鳴き声のようなかすかな耳鳴り、頭のふらつき、めまい

【随伴症状】不眠、遺精、のどや口の乾燥感、五心煩熱、寝汗、膝や腰がだるく痛む

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は薄、脈細数
【治法】滋補腎陰
【良い食材】白きくらげ、ごま、黒豆、ウズラの卵、鶏卵、烏骨鶏、鴨肉、豚肉、アワビ、カキ、ムール貝、ホタテ貝、ぶどう、イカ、赤貝など
【鍼灸治療代表配穴】腎兪、復溜、太谿、三陰交、翳風、聴会など

  • 腎陽虚
もともとの体質、老化、慢性病、性生活の不節制により腎陽不足となり生じます

【症状】慢性的な聴力減退と耳鳴り

【随伴症状】寒がる、四肢の冷え、膝や腰がだるく無力、遺精、インポテンツ、尿量が多い、倦怠感、食欲不振、泥状便、顔色が青白い

【舌診・脈診】舌質は淡、舌苔は薄白、脈細あるいは弱
【治法】温腎壮陽
【良い食材】くるみ、羊肉、鹿肉、熊肉、スズメ、イワナ、エビ、ナマコ、にら、山椒など
【鍼灸治療代表配穴】腎兪、命門、太谿、関元、三陰交、翳風、聴会など

  • 心腎不交
心腎は水火の臓で、水火は相互に助け合うが、ストレスや肉体疲労により水火が失調すると心腎不交となります

【症状】かすかな耳鳴りがあり睡眠が不足すると増悪、聴力減退

【随伴症状】焦燥感、不眠、動悸、健忘、膝や腰がだるく無力、午後の発熱、寝汗、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は少ない、脈細数
【治法】滋陰降火、交通心腎
【良い食材】百合根、ごま、卵、牛乳、豚肉、鴨肉、カキ、ムール貝、松の実など
【鍼灸治療代表配穴】心兪、腎兪、神門、郄門、太谿、復溜、翳風、聴会など

  • 脾胃気虚
暴飲暴食や肉体疲労などによる脾胃気虚のため清気が上昇せず、濁陰が耳部の経脈を阻滞するために生じます

【症状】難聴・耳鳴りが疲労によって増悪

【随伴症状】倦怠感、食欲不振、食後の膨満、顔色が萎黄、泥状便

【舌診・脈診】舌質は淡胖、舌苔は薄白、脈虚弱
【治法】補中益気
【良い食材】穀類、山いも、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、カリフラワー、いんげん、豆類、干ししいたけ、栗、蜂蜜、鶏肉、牛肉、田ウナギ、コイなど
【鍼灸治療代表配穴】脾兪、気海、関元、足三里、合谷、中脘、翳風、聴会など

  • 痰火
外感熱病や陽気亢盛により痰火が生じ、その痰火が経脈を阻滞することで耳鳴り、難聴が起こります

【症状】両耳がゴウゴウ鳴ってはっきり聞こえない、耳閉感、頭のふらつき、頭重感

【随伴症状】胸がはって苦しい、咳嗽、痰が多い、大小便がすっきり出ない

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は黄膩、脈弦滑など
【治法】清熱化痰
【良い食材】春菊、セロリ、白菜、たけのこ、へちま、バナナ、梨、緑豆、豆腐、ゆば、のり、昆布、クラゲ、アサリなど
【鍼灸治療代表配穴】豊隆、陰陵泉、中脘、合谷、曲池、内庭、翳風、聴会など

  • 気滞血瘀
情緒の抑うつによる肝気鬱血や外傷により、気血が停滞して生じます

【症状】突発的な難聴・耳鳴り、頭のふらつき、頭痛

【随伴症状】いらいら、胸脇部が脹って苦しい

【舌診・脈診】舌苔は黄、脈弦細など
【治法】行気・活血化瘀
【良い食材】大根、マッシュルーム、チンゲン菜、玉ねぎ、レモン、みかん、オレンジなど
【鍼灸治療代表配穴】膈兪、三陰交、中封、太衝、期門、内関、翳風、聴会など

「耳鳴り・難聴」に効く民間療法

◆ひまわりの種子殻の煎じ汁
 ひまわりの種の殻の部分15gと400~500mlの水を鍋に入れて火にかけます。約半分量になるまで煮詰めたら、ガーゼでこします。これを1日分とし、3回に分けて食前に飲みます。

◆黒豆の煮物
 黒豆15gを水に漬けて1晩おきます。ふやけた黒豆を鍋に入れ。漬け汁に水を足して600mlにして鍋に加え、3時間ほど弱火で煮ます。塩・こしょうで味を調え、さらに1時間ほど煮ます。黒豆には腎臓の機能を高める働きがあります。

「突発性難聴」の症例はこちら

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院
【石上鍼灸院】

中医学

石上鍼灸院石上鍼灸院

【中医学に基づく施術】
◆予約制
◆お一人ごとの診療

〒332-0023
川口市飯塚3-7-28

TEL:048-446-9860
メールアドレス:
info@ishigami89.com