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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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顔面神経まひ

 顔面神経まひは、顔面神経(第7脳神経)によって支配されている顔面筋の運動麻痺です。ここでは中枢性の顔面神経まひではなく、末梢性のものについて説明していきます。
 早期に針灸治療を行うと、比較的治癒することが可能な症状の一つです。

現代医学からみた「顔面神経まひ」

顔面神経とは?
 脳に出入りする12対の神経を脳神経といい、そのうちの7番目の脳神経が顔面神経です。運動性の神経線維が主部となり、一部知覚性と副交感性の神経線維よりなる中間神経です。延髄上部から橋背部から始まり、内耳道を通り、耳たぶの後ろの茎乳突孔から出て、表情筋に分布しています。

【顔面神経の主な働き】
・顔面表情運動
・閉眼、咀嚼等の日常生活上、必要な機能に関する運動
・音響性アブミ骨筋反射
・舌前2/3および軟口蓋の味覚
・顔面の深部知覚
・耳介、外耳道などの知覚
・顎下腺、舌下腺からの唾液分泌

【病変部位による症候】
 病変が顔面神経のどのあたりで起こっているかによって症状も違います。例えば、顔面筋麻痺の症状のみであれば末梢部位に病変があり、聴覚過敏の症状も伴うと中枢よりの部位に病変があると考えられます。

(末梢)顔面筋まひ→唾液分泌障害→舌前2/3味覚障害→聴覚過敏→涙分泌障害(中枢)

※ここでいう顔面神経麻痺は末梢性の神経障害のことです。中枢性の顔面神経麻痺ではありません。中枢性の場合はまずは脳神経外科にいきましょう。では、その簡単な鑑別は、「額にしわができる」かどうかです。しわがつくれる場合は中枢性の可能性がありますので、すぐに病院に行ってください。末梢性顔面神経麻痺では、額にしわをつくることができせん。

『顔面神経まひ』を起こす疾患

急性の末梢性顔面神経麻痺で多いのは、「ベル麻痺」ついで「ラムゼイ・ハント症候群」となります。

  • ベル麻痺
特発性片側性末梢性神経麻痺と定義されています。ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスともいわれていますが、現在のところ原因は不明です。

【症状】・患側の額にしわを寄せられない
    ・閉眼不能
    ・鼻唇溝消失
    ・口角下垂(健側にひっぱられる)
    ・頬を膨らませられない
※障害部位により舌の前2/3の味覚障害や、唾液・涙液の分泌低下、聴覚過敏がみられます


  • ラムゼイ・ハント症候群
帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。

【症状】・末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺と同様な症状)
    ・耳介帯状疱疹
    ・内耳神経障害(めまい、耳鳴り、難聴などを伴うことがあります)

中医学(中国伝統医学)からみた「顔面神経まひ」

 中医学では、顔面神経まひの症状を『面たん』や『口眼歪斜』などと呼ばれます。何かしらの原因により、顔面の経絡の気血の運行に異常をきたし、脈絡が滋養されず、経筋の栄養状態が悪くなると、顔面の筋肉が弛緩して収縮できなくなったものと捉えています。
 原因の多くは風の邪気が侵襲したことによりますが、風邪以外にも、肝気が滞って気血の流れを妨げるものや、もともとの気血が不足してしまったものなどがあります。中医鍼灸では、その原因を取り去り、顔面の経絡に気血を充実させるように治療を行います。

 原因のタイプ分けは以下のようになります。

弁証施治


  • 風邪外襲
 風邪が顔面の陽明絡脈に侵入して気血の運行を阻害し、絡脈が栄養されないために発生します。風寒、風熱、風湿の邪により少し症状に違いがありますが、外感表証を呈するところは同じです。

【共通症状】突然発症する顔面神経まひ、頭痛、鼻閉、頸項部のこわばり、顔面筋がぴくぴくひきつる
【風寒の症状】患側の顔面に緊張感・疼痛・皮膚が厚ぼったく硬い感じが伴う
【風熱の症状】患側の顔面が弛緩し皮膚に熱感を伴う
【風湿の症状】患側の顔面が腫れた感じがあり、まぶたの浮腫をともなうことがある

【舌診・脈診】舌苔は薄、脈浮
【治法】疏風散寒or疏風清熱or疏風化湿、舒筋活絡
【良い食材】米、ねぎ、大葉、生姜、香菜、黒砂糖
【鍼灸治療代表配穴】
 風寒:大椎、風池、風門、外関、患部の治療穴(太陽、下関、頬車など)など
 風熱:大椎、風池、曲池、合谷、魚際、内庭、患部の治療穴など
 風湿:風池、外関、合谷、足三里、陰陵泉、患部の治療穴など


  • 肝風内動
 怒りなどにより肝気が上逆し、肝陽化風となって顔面の陽明絡脈を損傷し、鎖骨上縁の陥凹部と両頬を牽動して顔面麻痺が発生します。

【症状】突然発生する顔面神経まひ、顔面紅潮
【随伴症状】肢体のしびれ感、耳の付け根の脹った痛み、めまい感の増強、頭が重く脚が軽く感じる
【舌診・脈診】舌質は暗紅、舌苔は黄あるいは少苔で乾燥、脈弦数
【治法】平肝熄風、通調面絡
【良い食材】きゅうり、にがうり、トマト、白菜、すいか、豆腐、茶
【鍼灸治療代表配穴】風池、太衝、合谷、内関、三陰交、太谿、患部の治療穴など

  • 肝気うっ結
 精神的な抑うつがあり、愁訴の多い感受性の強い女性に多く発症します。発症前に明らかな誘因がみとめられ、他人と口論する・欲求不満がある・不快なことを見聞きするなどによって肝気がうっ結し、陽明経が失調したために発生します。

【症状】精神的な要因とともに顔面神経まひが出現
【随伴症状】ため息、胸脇部が脹って苦しい、食欲不振、悲しい
【舌診・脈診】舌苔は薄白、脈弦
【治法】疏肝理気、調和絡脈
【良い食材】そば、大根、ねぎ、生姜、香菜、玉ねぎ、にら、みかん、レモン、ジャスミン
【鍼灸治療代表配穴】肝兪、期門、内関、足三里、太衝、患部の治療穴
など

  • 気血両虚
 脳卒中の後遺症や産後あるいは他疾患の後期によくみられ、気血が虚したために顔面の肌肉が気血の栄養を得ることができず発症します。

【症状】顔面神経まひで筋の弛緩が顕著
【随伴症状】息切れ、物を言うのがおっくう
【舌診・脈診】舌質は淡嫩、舌苔は薄白、脈細で無力
【治法】補益気血、健壮筋脈
【良い食材】穀類、肉類、レバー、にんじん、ほうれん草、小松菜、山いも、じゃがいも、しいたけ、栗、落花生、ライチ、ぶどう、蜂蜜、イカ
【鍼灸治療代表配穴】膈兪、脾兪、腎兪、気海、足三里、血海、三陰交、合谷、患部の治療穴など


  • 風痰阻絡
 気虚の体質で痰飲があり、気うつ化風により痰が動いたり、風寒の邪を感受して痰が動き、風と痰が互結して経絡に流入し顔面部の陽明絡脈を阻塞するために発生します。痰飲をもっている場合は、体が肥満し目に輝きがなく、顔色がどす黒く目の周辺にくまがあったり、まぶたのむくみ、舌が胖大、舌苔が白滑潤などを呈する

【症状】顔面神経まひとしびれ感
【随伴症状】ろれつがまわりにくい、喘鳴、舌のこわばった感じ
【舌診・脈診】舌苔は白膩、脈弦滑あるいは弦緩
【治法】化痰熄風、開竅通絡
【良い食材】はと麦、からし菜、玉ねぎ、大根、里いも、えんどう豆、みかん、きんかん、クラゲ
【鍼灸治療代表配穴】百会、風府、風池、内関、豊隆、太衝、委陽、患部の治療穴など


悪さをする外邪「風邪」とは?
 自然現象中にあらわれる風、寒、暑、湿、燥、熱(火)を六気といいます。六気が突然、あるいは激しく変化すると、人体に影響を与え、発病の原因となります。発病の原因となった六気をそれぞれ風邪、寒邪、湿邪、火(熱)邪、暑邪、燥邪とよび、あわせて六淫あるいは六邪といいます。六淫はいずれも口、鼻あるいは体表から体内に入ると考えられています。筋肉のまひや痙攣には風邪が関与することが多いので、以下に風邪の特徴を説明します。

【風邪の特徴】
@変化が敏速
 病状の進展がはやく、変化しやすい特徴があります。具体的には、かぜにかかった後、寒気があり、数時間も経たないうちに鼻水やのどの痛みなどの症状が現れ、さらに翌日には発熱や咳が出るなど、症状がすばやく変化します。

A遊走性、移動性がある
 病変部位が変化する特徴があります。具体的には、痛む部位やかゆみが移動する、発疹の部位が移動するなどの症状があらわれます。

B上半身、皮膚をおかす
 風邪は性質が軽いため、頭部、顔面部などの上半身、あるいは表面部の皮膚に症状があらわれやすい特徴があります。具体的には、うなじや背中に寒気がある、頭痛、めまい、皮膚症状であるかゆみ、発疹などがあらわれます。

C動揺する
 動きをともなう症状が多い特徴があります。具体的には、ぐるぐる回る感じのめまい、けいれん、震えなどの症状をあらわします。

D他の邪気を先導する
 風邪は単独で人体に侵入することは少なく、ほかの邪気をともない侵入することが多い特徴があります。

予防

◆一方から吹く冷風を避ける
 窓を開けて車の運転をしていると常に窓からの風を受けます。窓を閉め切っていても、エアコンからの冷風が吹きつけることがあります。オフィスでは、机の位置によってはエアコンからの冷風を一日中、一方から受けたりもします。このように、左右のバランスを崩すかたちで一方から吹きつける冷風にさらされると、それが引き金になって顔面神経まひを起こすことがあります。

◆ストレスをため込まない
 ストレスも顔面神経まひのきっかけになります。ウォーキングや好きな運動、自分の趣味に没頭する時間をつくるなどして、ストレス解消を図りましょう。

◆冷たいものを食べ過ぎない
 体が冷えることも顔面神経まひを引き起こすことがあります。

有効な民間療法

◆くず湯
 くずには体を温め、筋肉の緊張を取り去る働きがあります。

◆長ネギとしょうがのスープ
 長ネギの白い部分10cmくらいを細かく刻んでお椀にいれ、大さじ1杯のみそを加えます。熱湯を注ぎ、小さじ1杯のしょうが汁を加えてよくかき混ぜ、熱いうちに飲むようにします。

顔面神経まひの患者様への当院での症例

ステロイドを使用しなかった顔面神経麻痺の症例

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