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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆ニンニクについて

2018年7月17日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

にんにく今日は疲労回復に効果のある「ニンニク」についてです。

ニンニクは、ネギの仲間の多年草で、原産地は中央アジアとされています。
古代エジプト、ギリシャの時代より栽培され、薬用、食用として利用されていました。
日本へは古代中国から渡来したといわれ、「古事記」にも記述がみられます。

ニンニクというと、まず思い浮かべるのがあの強烈な刺激臭ではないでしょうか。
あの匂いの成分、硫化アリルの一種アリシンは、熱に弱く強い殺菌力があります。
強い殺菌抗菌作用により、食中毒や感染症予防に役立ちます。
さらに、血中コレステロールの上昇を抑え、動脈硬化の予防や抗酸化作用も認められています。
また、アリシンは、ニンニクに含まれるビタミンB1と結合して、アリチアミンという物質になります。
アリチアミンは水溶性のビタミンB1を脂溶性に変えたものなので、長時間体内にとどまってビタミンB1の働きを持続させる特性があります。
ビタミンB1には代謝を活発にし、疲労を回復し、体内の老廃物を取り除く作用があります。
体内に長くとどまることのできるアリチアミンとニンニク自体に含まれているビタミンB1の相乗効果によって、ニンニクは優れた疲労回復効果を発揮するのです。

ニンニクには、もう1つ注目すべき特殊成分が含まれています。
スコルジニンという無臭成分で、アリシンと同様の疲労回復効果に加え、心臓の働きを活発にします。
さらに、手足の末梢血管を拡張して、血液循環を促進する効果があり、これにより体全体の血行が良くなり体が温まるので、冷え性にも有効です。

【中医学的効能】

・四気五味: 辛、甘、温
・帰経: 肺、脾、胃、大腸

・散寒健胃 … 寒けのあるカゼを追い払い、胃の働きを健やかにして、食べ物の滞りを解消する
・解毒消腫 … 毒素を解消し(抗菌作用)、腫れ痛みを除く
・殺虫 … 寄生虫を退治する

ニンニクは辛味の温性の食材なので、気鬱などの症状の改善に役立ちます。
例えば、肩がはるとか、気分がうつうつとするなどの症状です。
しかし、体に余分な熱がこもっている陰虚の方や、発熱があり喉が渇くような実熱の方には向いていません。
カゼでも、寒けがして透明な鼻水が出るような風寒の邪によるものにはニンニクは非常に効果的ですが、発熱があり喉が渇き、または喉に痛みがあり、鼻水が黄色く粘るようなときは風熱の邪か、寒がすでに化熱しているので、ニンニクは適していないため控えめにしましょう。
同様の理由で、血圧が高い方や、にきびが多い方は控えめにしましょう。

まだ7月中旬ですが、35℃以上の日が続いてます。
今年の夏は暑い上に、長引きそうなので、ニンニクなどの疲労回復食材をうまく利用して、元気に過ごしましょう。
という私は既に一度食あたりと思われる症状に襲われています。
一日何も食べずに過ごしたら下痢も止まり、回復しました。
長引かずに済んで良かったです。
みなさんも気をつけて、長い猛暑を乗り切りましょう。

料理



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