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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆カゼ予防と衛気

2017年9月18日(月)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

カゼが流行り出す前に、衛気という「気」についてお話します。
衛気は食べたものから出来る気のひとつで、風邪や寒邪などの外邪から体を守っている気のことです。
イメージとしては、体の周りをボワッとバリアが張っている感じです。
衛気が強ければカゼをひいたり、天候の影響を受けたりしづらいのですが、衛気が弱いとそれらの影響を受けやすいので、カゼをよくひいたり、気圧がさがると調子が悪くなったり、冬に冷えを強く感じたりします。
そこで、これから寒くなる前に今日は衛気について少し詳しく説明していきます。

≪黄帝内経霊枢≫本蔵篇に「衛気なる者は、分肉を温め、皮膚を充たし、腠理を肥やし、開闔を司るゆえんの者なり」とあります。
衛気は主として体表を保護していて、皮膚や筋肉の温養をたすけ、外邪の侵襲に抵抗して外邪を追い払い、内は肺気と相通じて毛穴・汗腺の開閉をつかさどっています。
簡単に言うと、衛気は筋肉を温めたり、皮膚を潤し乾燥から守ったり、外からの影響を受けづらくしています。
また、無駄に汗が出てしまわないように調節しています。
衛気が不足すると、肌表を密に保つことが出来ないために、体の冷え、汗が止まらないなどの症状がみられます。
このような状態のとき(体のバリアが弱っているとき)には、毛穴も開いてしまっているので、外邪が簡単に体に侵入してしまいます。
すぐカゼをひいてしまうという方は、この衛気不足が考えられますね。
現代医学的に言えば、衛気不足は免疫力が低下している状態なので、ウイルスや菌が口などの粘膜についた際、キラーT細胞などがそれらを退治することが出来ず、増殖してしまいカゼをひいてしまうということと黄帝内経が言っていることは一緒です。
余談ですが、気虚の患者さんで私は汗がよく出るから代謝が良いんだと思っていたという方が結構います。
中医学では「自汗」と言うのですが、少し動くだけでダラダラと汗をかき、なかなか止まらないことです。
この自汗は、気虚の代表的な症状のひとつです。
暑い所で体を動かせば誰でも汗をかきますが、動くのを止めれば通常は発汗によって体温が下がり、それに伴い汗も止まるのですが、気虚の方はなかなか止まりません。
私はバスケットボールをやっていますが、真夏にバスケをすればかなりの量の汗をかきます。
でも、休憩になって少し休むと、汗は止まっています。
時間でいうと、1~2分もあれば汗は止まります。
個人差はありますが、参考まで。

では、衛気不足にならないためにはどうしたらいいかですが、基本的には規則正しい生活をしましょう。
特に食事が重要です。
最初の方に書きましたが、衛気は食べたものから出来るので、食事をおろそかにすることはお勧めできません。
もちろん、お菓子やカップラーメンなどでなく、バランスのいい食事です。
食材は「補気」作用のある下記のものを意識しましょう。

「補気の食材」
 米、山いも、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、カリフラワー、いんげん、豆類、干ししいたけ、栗、蜂蜜、肉類、豚の胃袋、田ウナギ、タラ、イワシ、カツオ、イシモチ、スズキ、サバ

経穴(ツボ)では、「気海」、「足三里」、「合谷」にお灸をお勧めします。
全て体の前面なので、ご自分で施灸出来ますからね。
気海 気海はおへその真下で、指2本分下の所です。

足三里 足三里は膝の下の外側で、お皿の下のくぼみから指4本分下の所です。

合谷 合谷は手の親指と人差し指の間で、骨と骨の接合部付近のくぼみの所です。

養生してカゼをひかないようにしましょう。



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