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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆便通についてB

2017年4月5日(水)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

先日、東京の桜が満開になったと気象庁が発表したとありました。
いっきに世の中が華やかになった感じがしますね。
桜を見ると体感気温が上がって、少し暖かくなった気もしますしね。
動植物が活発に活動しだすのも理解できます。
でも、桜はあっという間に散ってしまうので、今のうちにしっかり花見をしておきたいです。

さて、便通について第3弾は「便秘について」です。

排便が数日に1回であったり、毎日でも硬くて排便に時間がかかるものは便秘と捉えて考えます。
中医学では、熱証、血虚、陰虚、肝気鬱結が主に考えられます。
熱が強く影響したり、潤い不足で便が乾燥してしまったり、気が滞り便を動かすことが出来ず便が出ずらいといったことが原因になります。

私が幼稚園の頃、熱邪が原因で便がでなかったことがあります。
カゼを引いて結構高めの熱が出ていたときに、体に熱がこもっていて便意はあるんだけど排便できない辛い状況になってしまいました。
便が乾燥して詰まってしまっている感じです。
そんな時に、母が浣腸をすると言い出しました。
私は小さいながら嫌がりましたが、最終的には説得され浣腸をしました。
浣腸って、お腹がキュゥッとなって嫌な痛みがありますよね。
その痛みは今でも鮮明に覚えています。
結果排便できましたが、その後から熱が急激に下がり体が楽になりました。
排便によって体の熱も外に出ていったのだと考えられます。
このような便秘が熱証の便秘になります。

便意が起こらない場合は、陰虚や肝気鬱が多くみられます。
うつ病の方で5日くらいは便意がないという患者さんが結構いらっしゃいます。
うつ病の方には陰虚や肝気鬱の証が多いので、納得できます。
ストレスが原因で、気が滞り便が動かなかったり、陰を消耗して便に潤いがなくなったりするからです。
ストレスと一言でいうと簡単ですが、何をストレスに感じるかは個人差があり、真面目な人ほどそのストレスを大きくしてしまう傾向にあります。
ストレスは、中医学では辛い症状を起こす最もやっかいな原因の一つになります。
心と体は同一と考えているからです。
話しが逸れてきたので、便秘に戻しましょう。

残便感があり、排便後もスッキリしない場合は、湿熱や肝気鬱に多くみられます。
また、旅行や試験、精神的ストレスなどの緊張により起こる便秘も肝気鬱が考えられます。
肝の臓はストレスの影響を受けやすく、その影響は排便に出やすいことが分かりますね。

便の形が兎糞便の場合は、陰虚や血虚に多くみられます。
潤い不足が原因です。
また、便が細い場合は気虚が考えられます。
ただし、便が細くなると大腸がんの可能性もあります。
私も30歳ごろ、食べている割に便の量が少なく、細くなったと感じたときがありました。
疲れを感じていた時でもあったので、今思えば気虚の状態だったのかもしれませんね。

月経前に便秘になる場合は気滞が多く、月経中に便秘になる場合は陰虚や血虚が考えられます。
月経前は経血を外に出そうと気の働きが多く必要になるので気が滞りやすくなるためで、月経中は陰血が少なくなるためです。

以上のように、便秘は人により状態やつらさが違います。
排便は1日1〜2回で、便はバナナ状、スッキリ感があるのが理想です。
上にも少し書きましたが、排便により体の余分な熱を体外に排出しますので、理想的な排便に近づけるようにしていきましょう。
余分な熱は、肩こり、のぼせ、イライラ、頭痛、唾液減少による口臭などのような症状がみられやすくなります。
熱は火の炎上性で、機能亢進(交感神経・緊張増加、血管拡張)のような症状が出るからです。

最後に、気虚や陽虚が原因の便秘もあります。
これらの便秘は熱性の症状がみられないこともあります。
こういった場合に無理に下剤などで排便させると、余計体が疲れて調子が悪くなることがあるので、無理に排便させないようにしましょう。
やはり、自然に排便が出来るよう体の中から改善していくのが一番ですね。



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