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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆舌診について⑥ 舌下脈絡

2016年9月17日(土) 晴れ

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今回は、舌診について第6弾です。
舌下脈絡についてお話しします。

舌下脈絡とは、舌の裏にある2本の紫色っぽい舌下静脈のことをいいます。
健康なものは、長さが舌尖までの3分の2以下、太さは2.5~2.7㎜以下です。
正常
正常な舌下脈絡の写真です。

異常な舌下脈絡は正常の長さや太さを超え、青紫色で怒張、蛇行をしています。
ひどくなると、静脈瘤のような結節がみられることもあります。
舌下1

舌下2
このような舌下絡脈の意義は、「瘀血」です。
体内の血液が滞り、流れの悪いものを「瘀血」といいます。
打撲などで内出血したものも「瘀血」といいますが、多くは経脈(気血の通り道)や器官内で滞っている血液のことです。
「瘀血」になる原因は、気虚、気滞、血寒、血熱などによります。
以上の原因はすべて血行を悪くして血を凝滞あるいはうっ積させてしまうんです。
慢性的な疲労により気虚になると、血を動かす気の力が不足するので血流が悪くなります。
ストレスなどで気滞が生じ、気がうまく流れないと血も一緒に滞るので血流が悪くなります。
冷えによって血流が悪くなるのは分かりやすいですね。
当院で一番多いのが、血に熱が多くなり血の巡りが悪くなっている方です。
ストレスなどで陰虚や肝火などの熱症状が強くなり、その熱により血が濃縮されて血の巡りが悪くなります。
イメージでいうと、ドロドロ血です。

私が台湾で購入してきた「臨床望舌」という本では、舌下脈絡の色で原因を分けています。
それによると、色が青紫のものは、気滞血瘀あるいは痰瘀互結。
色が淡紫のものは、寒邪凝滞あるいは気虚血瘀。
色が紫紅のものは、熱邪による血瘀。
色が淡紅あるいは薄めの青で脈形が細小のものは、正気虚弱。

血の巡りが悪いと、温めた方がいいのではと誰もが思いますよね。
でも、原因によっては温めすぎない方がいい場合もあります。
例えば、熱邪が原因の方は、温めるより熱を冷ます食材のトマトやきゅうりなどを積極的に摂って、熱性の牛肉や辛いものなどは避けて、熱を冷ますことで改善されやすくなります。
また、気滞の方は軽い運動をして気血の巡りをよくするのが向いていますが、気虚の方はより気が消耗する可能性があるのであまり向いていません。
気虚の方は気を補う食事などで改善させていく方が向いています。
もちろんそうでない場合もあるので、参考までに読んでくださいね。

舌下脈絡だけで全ては分かりませんが、体質をみる一つの参考にはなりますね。
鏡を見て是非確認してみて、自分に合った改善方法を取り入れていきましょう。



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