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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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〒332-0023 埼玉県川口市飯塚3-7-28

アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療

当院では、アトピー性皮膚炎の治療に力を入れております。中医鍼灸治療では、症状を起こしている原因を除去し、またその原因に対応できる体作りを行ってまいります。ここでは、西洋医学的な捉え方、中医学的な捉え方について説明してまいります。


西洋医学での「アトピー性皮膚炎」

アトピー性皮膚炎はどのような病気か

 アトピー性皮膚炎という病名は1932年、アメリカの著名な皮膚科医サルツバーガーがはじめて用いました。アトピーという言葉は、ラテン語で「奇妙な」「とらえどころがない」「その他の」などの意味をもっています。
 日本皮膚科学会が作成した「アトピー性皮膚炎診断の目安」によれば、この病気には以下の特徴があります。
①かゆみがあること
②アトピー性皮膚炎を引き起こす遺伝的な体質がある人に幼少時に発症し、成長するに従って各年齢層に特徴的な症状を示しながらだんだんとよくなっていくこと
③慢性・反復性の経過をたどること(アトピー性皮膚炎は乳児では2ヶ月以上、その他の年齢層では6ヶ月以上症状がつづくものとされています)
従って、すぐに治ってしまう湿疹はアトピー性皮膚炎でないのが普通です。

難治例や成人型も増加

 従来、アトピー性皮膚炎は、乳児期→幼児期→思春期と成長するにつれて症状が軽くなる、といわれてきました。これは、成長するとともに皮膚が強くなって、刺激に対して抵抗性をもつようになるためです。
 アトピーといえば子供が連想されますが、実は近年大人のアトピーが増加傾向にあります。成人後もアトピーの症状がつづく患者さんが増えています。顔面に難治性の発赤があったり、頚部を主体に明らかな色素沈着が見られたり、全身にかゆみの強い小結節(痒疹)が多発したりします。また、子どもの頃にはアトピー性皮膚炎はなかったのに、二十歳ごろにはじめてこの病気の症状が出ることもあり、その場合は顔面から頚部にかけて強く発赤を認めることが多くなります。
 成人型アトピーが増えているのは、以前に比べて大気汚染がひどくなったこと、ダニやカビが繁殖しやすい気密性の高い建物が増えたこと、衣類や食品に化学物質が増えたことなどが挙げられます。また、ストレスや不規則な生活習慣も大人のアトピーを増加させる原因となっています。

アトピー性皮膚炎はなぜ起こる?

 私たちのからだは、外部からウイルスや細菌、寄生虫などの異物が侵入してくると、それをやっつけようとする力をもっています。これが免疫です。Tリンパ球とBリンパ球による免疫システムのおかげで、一度かかった感染症(はしかや風疹など)に二度とかからなくなったり、かかっても軽くすむのです。しかし、この免疫システムが過剰に作用して、本来人体に害のないものに対しても抗体をつくることがあり、こうなると私たちにとって不都合は生じます。これがアレルギーです。
 アトピー性皮膚炎では血清中のIgE抗体が増加しており、ダニやハウスダストなどのアレルゲンに対する特異IgE抗体価が高い例が多いという免疫学的な異常が存在します。しかし、こうした異常はⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)に反応するもので、皮膚の病気としては蕁麻疹がこれにあたります。
 一方、アトピー性皮膚炎はⅠ型アレルギーだけでは説明できず、Ⅳ型アレルギー(遅延型アレルギー)との関わりも想定されていますが、詳しいことは分かっていません。
 最近では非免疫学的異常が注目されています。アトピー性皮膚炎の方の皮膚は生まれつきセラミドが不足しており、そのため水分が失われて乾燥した皮膚となり、外部からの刺激に弱くなって皮膚の炎症、すなわち湿疹を生じやすいことが分かってきました。つまり、皮膚のバリア機能の低下がアトピー性皮膚炎の重要な因子となっており、この病気に細菌・ウイルス感染症を合併しやすいこともこれを裏づけています。
 また、アトピー性皮膚炎には遺伝的素因が関与しており、そこにアレルゲンや皮膚に対する機械的刺激などの環境要因が加わると、アトピー性皮膚炎が発症すると考えられます。

西洋医学の治療について

【原因に対する治療】
生活環境の改善、細菌除去、真菌除去、ダニ除去、食物療法、食物アレルゲン除去、食生活の改善、心身医学療法、特異的減感作療法など
【全身的対症療法】
副腎皮質ホルモン薬、抗生物質、抗菌薬、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー剤、漢方薬、止痒療法など
【局所的対症療法】
止痒療法、スキンケア、光線療法、抗生物質軟膏、非ステロイド系消炎外用薬、副腎皮質ホルモン外用薬など

中医学での「アトピー性皮膚炎」

 中医学ではアトピー性皮膚炎を単なるアレルギー疾患とは捉えません。現在でている症状(発疹の様子)から原因を推察していきます。これは中国医学の一つの考え方で「以表知裏」といい、表に出ている症状から、内臓の働きのバランスをみるものです。アトピー性皮膚炎といってもその原因や病程によってさまざまな病状を呈します。
 アトピー性皮膚炎の原因を中医学的に考えると、病邪である風・熱・乾燥・湿・瘀血(血液の流れが停滞している状態)に加え、生活習慣、飲食失調やストレスによって、臓腑や気、血に何らかの影響が出て発症するものと捉えています。

皮膚症状と病邪の関係

①風邪 … 遊走不定の出没する皮疹。春に悪化する場合が多いタイプ
②湿邪 … 浸出液の分泌、水疱、浮腫状。梅雨に悪化する場合が多いタイプ
③熱邪 … 紅斑、腫脹、灼熱感、痒み、痛み。夏に悪化する場合が多いタイプ
④燥邪 … 乾燥、肥厚、落屑、苔白癬化。秋に悪化する場合が多いタイプ
瘀血 … 色素沈着、紫斑、皮疹の固定化。冬に悪化する場合が多いタイプ
中医学の立場でみると、主に風邪・熱邪・湿邪が関係していると考えます。

【風邪】
「風なければ痒みおこらず」
 風邪の性質は、行くも去るも速く、よく動き、しばしば変化します。また風邪には昇発上行・開泄
理という特徴があります。移行性の痒みがあり、特に顔面部や上半身の症状がひどい・汗をかく・脈浮などの症状がある場合は、まず風邪が関係していると考えます。
【湿邪】
「湿勝れば痒みおこる」
 湿邪の性質は、重濁下行、粘滞、完治しにくく、また脾気を損傷しやすい点があげられます。水泡が多い、ジクジク滲出液がよく出る、特に下半身や陰部の症状がひどい、また症状は繰り返しながらなかなか完治できない、食欲減退、軟便、下痢しやすい、舌苔が厚い、または粘膩、脈濡または滑などの症状がある場合は、湿邪が関係していると考えます。
【熱邪】
「熱盛んなればすなわち痛み、熱軽ければすなわち痒し」
 熱邪は炎熱上行、血分に入りやすく、また津液も損傷しやすい特徴があるので、心火上炎、血分熱毒、津液消耗を引き起こしやすくなります。皮膚の発赤・紅斑・紅腫・灼熱感・痛みを伴う・出血・感染・化膿しやすい、また口渇・心煩・尿少・便秘・不眠・舌質が赤い、または紅絳・舌苔が黄色い・脈数などの症状がある場合は、まず熱邪が関係していると考えます。


関係する臓腑

中医学の考えで、アトピー性皮膚炎に関係する臓腑は、脾胃と肺と肝です。
【脾は運化を主る】
「脾は飲食物の消化・吸収の過程を管理する」→気・血・水を作り出す
もともと脾胃の働きが弱い方や、冷たいもの・甘いもの・脂っこいもの・お酒などの過食により、脾胃の働きが悪くなると、気や血が作られにくくなってしまったり、水液の代謝が悪くなり、体の中に湿(内湿)がたまってしまいます。

【肺は宣発と粛降とを主る】
 肺は気と水液の代謝を担い、皮膚の働きを管理しています。肺は、脾で吸収された栄養物と気を、皮毛をはじめとして全身に送りこみます。この働きを肺の宣発作用といいます。また、不要になった水液を膀胱におろしす働きを肺の粛降作用といいます。

【肝は疏泄を主る】
肝には全身の気を順調にめぐらせる働きがあります。この疏泄作用は、ストレスにより失調しやすく、失調すると気と血の流れが停滞し、熱を生み出してしまいます。アトピー性皮膚炎の場合、熱が痒みを増幅させ、掻くことでさらに皮膚症状が悪化したり、かゆくて眠れなくなったりすることで、またストレスとなるという悪循環がみられます。

皮膚症状によるタイプ分け

 中医学では皮膚の症状および随伴症状から原因を導き出し、それに基づいて針灸治療を行っていきます。はっきりとひとつのタイプの症状があらわれる場合もありますが、様々なタイプの症状が混在している場合や、季節や環境によって変化する場合もあります。
  • 湿熱タイプ
【主症状】紅斑の上に紅暈にかこまれた水疱を生じ、潰破すると粘稠な浸出液が流出して、紅潮したびらん面や乾燥したかさぶたが生じます。掻痒は強く、熱感をともないます。

【随伴症状】口が粘る、食欲不振、四肢がだるい、からだが重い、便がベトベトする、軟便、痰がからむ、下痢をしやすい、下肢のむくみなどの症状がでる場合もあります。

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は黄膩、脈滑数あるいは濡数

【治法】清熱利湿、健脾益気
 胃腸の働きを管理している脾のエネルギーを補充し、体の中にある内湿を取り除き、また体の中にある余分な熱を取り去る治療です)

【良い食材】はと麦、緑豆、白菜、大根、きゅうり、金針菜、茶、豆腐、コイ、フナ、ハモ

【鍼灸治療代表配穴】脾兪、陰陵泉、章門、合谷、曲池

  • 血熱タイプ
【主症状】痒みが激しく、斑疹は紅~深紅で次々に新生します。白屑はうろこ状に層をなして新生し、粉々として落ちる。掻くことで点状出血をみます。患部は肥厚し、ヤスリ様のザラザラした感触となります。脱毛は束になって抜け、甚だしいと眉毛も抜け落ちます。

【随伴症状】体に熱がある感じが強く、口が渇く。便秘、不眠や夢を多く見ることがあります。

【舌診・脈診】舌質は紅絳、舌苔は無あるいは黄燥、脈弦数あるいは滑数

【治法】清熱涼血
 熱のために痒みが生じ、その痒みがストレスとなりさらに熱を生むという悪循環を断ち切るために、熱を取り去る治療を行います。

【良い食材】セロリ、白菜、タンポポ、にがうり、きゅうり、トマト、緑豆、茶葉

【鍼灸治療代表配穴】膈兪、三陰交、大椎、委中、尺沢、復溜

  • 血虚タイプ
【主症状】痒みはかなり激しく、夜間に悪化する。白屑は米ぬかのように細かい。皮膚はヤスリ様にザラつき肥厚する。淡褐色の色素沈着がみられ、びらんや浸出液はほとんどみられない。毛髪がぬけやすい。症状の進行は緩慢。

【随伴症状】顔色が白い、唇や爪の色が淡白、たちくらみ、食欲不振、口唇乾燥、口渇、便秘などがみられる場合があります。

【舌診・脈診】舌質は絳痩、舌苔は少、脈濡、あるいは舌質は淡、脈細緩

【治法】養血潤燥、
風止痒
 血を増やし、流れを良くすることで、内風を取り除き痒みをとめ、また皮膚に栄養が行きわたる治療を行います。

【良い食材】にんじん、ほうれん草、小松菜、百合根、ぶどう、豚の皮

【鍼灸治療代表配穴】風池、曲池、風市、血海、肝兪、腎兪、脾兪、足三里

  • タイプ
【主症状】皮膚の傷害部が紫色で、点や斑がみられる。静脈瘤や色素沈着もみられる。皮膚は肥厚し硬くなる。

【随伴症状】顔色がどす黒い、口唇がやや紫紅色、経血に血塊をともなうなどの症状がみられる場合があります。

【舌診・脈診】舌質は暗紅、舌に
斑、舌下絡脈、脈渋

【治法】活血化

 血の流れを改善し、滞っている血流を押し流す治療を行います。

【良い食材】チンゲン菜、甜菜、くわい、酢

【鍼灸治療代表配穴】心兪、膈兪、血海、三陰交

  • 陰虚タイプ
【主症状】痒みははげしく、皮膚は萎縮して銀屑が浮く。皮膚のすじが消えて大きなしわとなり、うぶ毛がなくなり光沢がある。淡黒色の色素沈着がある。

【随伴症状】めまい、不眠、口が渇くが大量には飲まない、寝汗をかく、手足のほてり、微熱、大便乾燥をともなう場合があります。

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は少、脈細数

【治法】滋陰降火
 身体に不足している水分を補充し、熱をさます治療を行います。

【良い食材】百合根、黒ごま、卵、牛乳、豚肉、鴨肉、カキ、ムール貝

【鍼灸治療代表配穴】腎兪、太谿、湧泉、三陰交

アトピー性皮膚炎に役立つ生活習慣

【入浴とスキンケア】
 アトピー性皮膚炎の方の皮膚は、外的な刺激に容易に反応して湿疹を生じやすいので、つねに清潔を保つ必要があります。ただしゴシゴシ洗うのは禁物ですので、ナイロンタオルの使用を避け、木綿の柔らかいタオルを用いるようにしてください。
 運動などで汗をかいたあとは、なるべくシャワーを浴びるようにしましょう。入浴後やシャワー後は皮膚の表面を保護している皮脂膜が洗い流されているので、皮膚の乾燥を防ぐために水分がまだ皮膚の角質層に含まれている状態のときに保湿剤を使用するようにします。
【衣類などの選び方】
 肌着は吸湿性のよい木綿製のものを選ぶようにします。ピアス、ネックレスなどの装身具はかぶれを起こして湿疹を悪化させることがあるので注意が必要です。また髪の毛が皮膚に当たるのも、皮膚の症状を悪化させる要因になるので、毛先が皮膚に触れないような髪型にすることが大切です。
【ハウスダスト対策】
 ダニやハウスダストはアトピー性皮膚炎を悪化させる因子となりうるので、つねに掃除を心がけ、部屋を清潔に保つようにする必要があります。枕カバーやシーツもこまめに取り替え、布団は裏表ともに十分に日に干してください。
【かゆみ対策】
 体が温まるとかゆみが強くなるので、室温は25℃に保ちます。とくにかゆみが強い場合は水のうなどで冷やすとやわらぎます。アルコールや香辛料の強い食事も痒みをひどくするので避けるようにしましょう。

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【患者さんの来院範囲】
埼玉県川口市、さいたま市、草加市、蕨市、越谷市、戸田市、和光市
東京都北区、板橋区、練馬区、足立区、群馬県、千葉県、神奈川県などから来院していただいています。


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